2009年9月25日(金)「しんぶん赤旗」
どの国も他国支配できぬ
国連総会 オバマ大統領が演説
一般討論始まる
【ニューヨーク=小林俊哉】第64回国連総会の一般討論演説が23日から始まりました。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は冒頭、「今回の総会では、各国が尋常ならざる時に立ち向かうよう求められている」と述べ、気候変動、貧困、核不拡散などの国際課題に取り組むため、「目標と行動で結束しよう」と呼びかけました。
オバマ米大統領は23日、国連総会一般討論で初めて演説し、国連に積極的に関与する方針を表明するとともに、「われわれは、古い分断に橋を懸ける新しい連合を築かなければならない」と呼びかけました。
オバマ氏は、国連について「戦争の痛苦の教訓を受け、分断ではなく共同によってこそわれわれの利益を増進できるとの知恵に基づいて設立された」機関であり、「全世界の共同の努力」の場だと指摘、国連の役割を強調しました。
同氏はさらに、21世紀を「どの国も他国を支配できないし、そうしようとすべきでない」時代、「世界が緊密に連結され、古い南北間の分断が意味をなさない」時代、「冷戦時代に根を持つ国家間の連携関係が意味をなさない」時代だと指摘。
その上で、将来の国際社会で重要になる四つの柱として、(1)核拡散を食い止め「核兵器のない世界」をめざす(2)平和を追求する(3)地球環境を守る(4)すべての人々にチャンスを与える世界経済―を提唱しました。
核不拡散問題では、「いまや核拡散の危険は増大している」と指摘し、核開発が問題となっている北朝鮮、イランに国際的義務に従うよう求めました。
「平和の追求」では、難航している中東和平を促進する決意を表明し、「米国がイスラエルの安全を保障してもイスラエルが主張通りにパレスチナ人の正当な要求と権利を尊重しないなら、われわれはイスラエルのために尽力はしない」と述べて、大きな拍手を浴びました。
オバマ氏は、民主主義のあり方にも言及し、「民主主義をある国に外から押し付けることはできない」と主張。「それぞれの社会は(民主主義の)自分自身の道を探求しなければならない。米国は(ある国がどの道をとるかによって)えり好みをしすぎた」と省みました。