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2009年9月8日(火)「しんぶん赤旗」

学費に困る人なくす時

“政治転換で軽減に道開く”

「ゼロネット」全国交流会


 学費負担軽減に取り組む個人加盟のネットワーク「学費ゼロネット」が発足から2年、初の全国交流会を7日、京都市内で開きました。28大学から109人の学生らが参加し、学費ゼロネットには「学費のゼロ=無償化をめざす」「学費で困っている人をゼロにする」という二つのゼロの意味があることを確認しました。


 各地の取り組みなどについて報告した京都の学費ゼロネットの福田耕代表は、総選挙の中で、高学費が大きな争点となったことにふれ、すべての政党が給付制奨学金の導入で一致する変化が生まれたと指摘。高等教育の無償化をかかげた国際人権規約に日本も加わるべきだとの勢力が国会のなかで多数派になり、「学費負担を押し付けてきた政治が転換され学費負担軽減への道が開かれようとしている」とのべ、いまこそ、「誰もがお金の心配なく学べる社会、夢や希望を持って成長できる社会を実現しよう」と呼びかけました。

 福田代表は、各地の活動を紹介しました。

 京都の学費ゼロネットはメールニュースを活用して、宣伝や学園ごとの取り組みを交流しています。昨年の秋には学生自治会のない大学の学生がアンケートを500人分集めて「学費ゼロ大集会」を200人の参加で成功させました。

 大阪では300人から集めた学生の実態をもとに、大阪大学のある吹田市議会へ陳情し、全会一致で「大学における高学費問題の改善を求める意見書」が可決されました。


 学費ゼロネット 学費負担軽減に取り組む個人加盟のネットワーク。2007年に京都府学生自治会連合が呼びかけて発足した京都と、東京、千葉、新潟、愛知、兵庫、大阪、福岡で結成され、神奈川、宮城、長野で準備会がつくられています。


生活費全額バイト■教科書買えない

 集会では参加した学生から実態や取り組みについて発言がありました。

 信州大学2年生は母子家庭で経済的に苦しく、学費の全額免除を受けています。生活費はアルバイトをして自分でまかない、寮費のみ母親が負担しています。学費のことで進学を悩んだため、学費ゼロネットの活動を知り、学費負担の軽減のために頑張っている仲間の存在と学費値上げにストップをかけてきた運動を知って勇気付けられたと発言。「二つのゼロ」を実現させるためにも多くの人に知らせたいと語りました。

 東京の私立大学2年生は学内での実態調査の取り組みについて述べました。教科書を買えない学生、アルバイトをかけもちしている学生の実態を紹介。経済的なことは表に出すことが難しいが、経済的に困っていることは恥ずかしいことではないこと、政治の責任であることを伝え、学費無償化へむけた世論を広げていきたいと語りました。



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