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2009年9月4日(金)「しんぶん赤旗」

萬世閣は残業代払え

口頭弁論開始 労組委員長が訴え

札幌地裁


 リゾートホテルの従業員がただ働きや不当労働行為をやめるよう訴えている萬世閣問題で3日、労働組合委員長が不払い残業代の支払いを求める裁判の口頭弁論が札幌地裁(竹田光広裁判長)で始まりました。訴えているのは、萬世閣労組委員長(52)ら登別万世閣ホテルの従業員3人です。

 萬世閣は道内の温泉地でホテル経営を展開する老舗企業です。

 訴状によると、萬世閣では早朝から深夜に及ぶ勤務を強要しても残業代がただの一度も支払われておらず、会社は改善を求めて結成された労組の活動を妨害し、委員長を調理顧問からヒラ調理員に降格しました。

 口頭弁論で経営者側は、理由を一切示さずに請求を棄却するよう求めました。

 萬世閣問題では、すでに洞爺湖温泉や定山渓温泉の万世閣ホテルで働く調理員や元支配人、元総調理部長らが「G8サミットで異常な長時間労働を強いられたのに、残業代が未払い」「社長からのたび重なるいやがらせで精神的疾患を生じた」と提訴し、裁判が行われています。

 この日、札幌地裁では、登別万世閣の裁判の後に洞爺湖万世閣で働く調理員らが未払い残業代を請求している裁判も開かれました。

 経営者側は「午前5時から午後10時の間で法定の8時間を働く変形労働時間制だった。未払い残業代はない」と違法な働かせ方を強いたことに反省もなく、居直りました。

 サミット期間中、同ホテルに宿泊した警備要員の食事を担当した元調理長(53)は「調理場の従業員はみんな早朝から深夜までぶっ通しで働きました。経営者側の主張は、あまりに実態とかけ離れている」と語りました。



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