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2009年7月25日(土)「しんぶん赤旗」

中南米での大きな変化をどう見る?


 〈問い〉 中南米でアメリカいいなりから抜け出す、新たな国際秩序づくりがすすんでいます。日本共産党は、この大きな変化をどう見ますか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 いま世界では、軍事力や経済力にものをいわせるアメリカの横暴や、大国だけで世界の方向を決めるやり方は通用しなくなっています。日本共産党は、中南米で起こっている大きな変化も、核兵器や軍事同盟のない世界を実現し、各国の経済主権を尊重して民主的な国際経済秩序をきずくうえで、21世紀の世界の前途にかかわる意義を持っていると考えます。

 アメリカの歴代政権は中南米諸国の自主的・民主的な変革の動きをしばしばクーデターで押しつぶし、多くの場合、中南米諸国は米国の顔色をうかがって傍観あるいは同調するのが常でした。アメリカが中南米支配の道具としてきたのは、軍事同盟である米州相互援助条約(リオ条約、22カ国加盟)であり、キューバを除く米州34カ国が参加する米州機構でした。

 しかし、リオ条約はすでにメキシコが脱退するなど事実上、機能していません。米州機構も、アメリカの横暴を許さない対等・平等な関係が日程にのぼりつつあります。

 こうした変化は、6月の第39回米州機構総会で、同機構へのキューバの復帰を認める決議が米国を含む全会一致で採択されたことにも示されました。キューバは革命後の1962年、アメリカの圧力のもと、体制の違いを理由に米州機構への参加資格が停止されました。今回の総会で、それは不当だと中南米諸国が一致して主張したのです。オバマ米政権も、応じざるを得ませんでした。

 中米ホンジュラスで6月28日に起こったクーデターには、中南米諸国がすかさず非難し、「暫定政府」を認めない姿勢を表明しました。国連総会が米国と中南米諸国の共同提案によるクーデター非難決議を採択したのに続き、米州機構も国外追放されたセラヤ大統領の復帰を求める決議を採択しました。ここにも中南米諸国の大きな変化を背景とする米州全体の新しい時代の息吹が感じられます。(尚)

 〔2009・7・25(土)〕


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