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2009年7月22日(水)「しんぶん赤旗」

6カ国協議再開求める

ASEAN外相会議が声明

北朝鮮を「非難」


 【プーケット(タイ南部)=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は20日、当地で外相会議を開き、北朝鮮の核問題で6カ国協議再開を求める共同声明を採択して閉幕しました。

 共同声明は、北朝鮮の核実験を「明白な国連安保理決議違反」だとして「非難」し、「北朝鮮に決議の義務を完全に履行する」ことを要求。6カ国協議がいまも朝鮮半島の平和と安定を達成するための主要メカニズムだとして、6カ国協議への全参加国の早期復帰と合意の完全な実行を求めました。

 ASEANと6カ国協議全当事国が参加するASEAN地域フォーラム(ARF)が「朝鮮半島の平和と安定に積極的な役割を担える」とも指摘。核問題で協力する準備があることをあらためて示しました。23日のARFには北朝鮮代表団も参加します。

 共同声明は、最近の核軍縮の進展を注目しているとし、米国とロシアの核弾頭削減合意を歓迎。ジュネーブ軍縮会議の全参加国が核軍縮交渉を再開するよう希望すると表明しました。

ミャンマーに「建設的関与」

 民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの裁判が続くミャンマー情勢では、「スー・チー氏を含む被拘束者の即時解放」を呼びかけ、全政党が参加する自由で公正な総選挙の実施を要求。一方で、「外部からの圧力と経済制裁が民主化と発展努力を阻んでいる」とのミャンマーの主張に言及し、ミャンマー政府が「多くの複雑な試練に取り組んでいる」として「建設的関与を続ける」と表明しました。

人権委員会10月発足へ

 【プーケット=井上歩】20日に採択された東南アジア諸国連合(ASEAN)共同声明は、2015年のASEAN共同体実現のための努力強化を確認しました。

 ASEAN人権委員会の規約を承認し、10月の首脳会議で人権促進の決意を表明する「政治宣言」を採択し、人権委員会を発足させることを決めました。

 議長国タイのアピシット首相は20日の演説で、2015年に構築するASEAN共同体について三つの性格を提唱。(1)試練に対応する「行動の共同体」(2)単一市場・生産基地としての「結合の共同体」(3)教育・人間開発の機会を保障し、人々が統合に貢献しその恩恵を受ける「人々の共同体」―であるべきだと訴えました。



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