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2009年7月22日(水)「しんぶん赤旗」

「陵墓」の調査 検討も

吉井氏への政府答弁書


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 宮内庁によって「陵墓」(皇族の祖先の墓)とされている古墳の実態をただした日本共産党の吉井英勝前衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書がこのほど閣議決定されました。

 3世紀末から6世紀にかけて、大きく土を盛り上げて造られた古墳は、考古学的な研究によっても誰が葬られている墓なのか明らかになっているものは一つもありません。

 長さ数百メートルを超す巨大古墳は、古代国家の成立過程や、古代社会を解明する学術的資料として重要ですが、その多くが明確な根拠なしに「陵墓」に指定され、研究のためであっても自由な立ち入り調査や文化財としての活用ができない状態となっています。

 吉井氏は6月29日と今月9日に二つの質問主意書を提出し、古墳が陵墓に指定されていることが、古代史解明の障害になっている問題などについて政府見解を求めました。また、大阪府の大山古墳(宮内庁によれば、仁徳天皇の墓)や誉田御廟山古墳(同・応神天皇の墓)の墳丘に過去の巨大地震の痕跡が見られる見解を指摘し、都市防災の観点からの調査の必要性なども強調しました。

 答弁書は(陵墓の)「静安と尊厳の保持が最も重要」としつつも、「古代史解明のための障害が生じないよう、学術研究上の要請にこたえる」と述べています。また、都市防災上の観点で「国または地方公共団体から、必要不可欠で緊急性のある要請があれば、立ち入り調査を検討することもあり得る」という見解を示しました。



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