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2009年7月15日(水)「しんぶん赤旗」

貨物検査法案を可決

自公単独 衆院通過を強行

成立めど立たず


 自民、公明の与党は14日、衆院本会議で政府が提出した「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」(貨物検査特措法案)の採決を与党だけで強行、可決しました。本会議に先立つテロ特別委員会でも野党が欠席するなか審議と採決を強行、可決しました。同法案は貨物検査への自衛隊の参加も可能とするものです。

 参院では首相問責決議が可決されたうえ、政府・与党が21日にも衆院解散を宣言しているもとで、同法案成立の見通しはありません。それにもかかわらず、衆院通過を強行した与党の姿勢は、まじめな国会審議を放棄した異常なものです。

 同法案は、自国領域内や公海での北朝鮮船舶の貨物検査を可能とするもの。検査の主体は海上保安庁ですが、海保が対応できない「特別の事情がある場合」には、自衛隊法82条に基づく海上警備行動で自衛隊が出動し、検査等の活動を行います。

 政府・与党は、北朝鮮の核実験等を強く非難し、非軍事的制裁措置を求めた国連安保理決議1874の「実効性の確保」を、同法案成立を目指す口実としています。

 しかし、日本はすでに北朝鮮船舶の入港禁止や輸出入の全面禁止の措置をとるなど、安保理決議にある制裁措置を実施しており、法案を成立させる必要がないことが明らかになっています。

 委員会採決後の記者会見で深谷隆司委員長(自民)は、「委員会審議では、民主党は必ずしも反対ではなかった。賛成するかもしれないとみていた。政権を取ろうというなら、その責任を果たすべきだ」と述べました。



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