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2009年7月7日(火)「しんぶん赤旗」

都民的大義に立った大奮闘で必ず勝利を

全都活動者会議 志位委員長が発言


 日本共産党の志位和夫委員長は6日、全都活動者会議で発言し、12日投票の都議選勝利に向け、政治論戦上、全党が確信にすべき3点について解明・提起しました。告示前から連日、都内を駆け巡り、都民に直接訴え、願いを受け止めてきた実感を込めた話に、参加者は熱い決意の拍手で応えました。


 志位氏は、序盤戦の選挙情勢について、多くの選挙区で日本共産党候補が当落線上にいるか、猛追するという大激戦となっていると指摘。頑張り次第で前進も後退もありうることを、4〜6割がまだ投票先を決めていないとする世論調査結果もあげて強調しました。

写真

(写真)発言する志位和夫委員長=6日、党本部

第一の確信―切実な要求に正面からこたえる論戦

 その上で、第一の確信について、今回の都議選で、都民の切実な要求に正面からこたえる論戦をおこなっているのは、日本共産党だけだと力説し、3点にわたって述べました。

要求実現の先頭に党と候補者の姿

 一つは、高齢者医療無料化、都立病院の存続、30人学級の実現、保育園の待機児ゼロ、返済不要の奨学金創設など、あちこちで噴出している都民の切実な要求の実現の先頭に、党と候補者が立っていることです。

 党が都民要求に根ざして争点を鮮明にしてきたことには、マスメディアも、「医師不足、病院の偏在、身近な医療の崩壊…『衆院選の前哨戦』という位置付けからは見えにくいが、暮らし直結の争点がある」(「毎日」4日夕刊)と指摘する状況が生まれています。

 志位氏は、都の当局が、高齢者医療無料化では「切実な要求として受け止める」とのべ、30人学級でも「重く受け止める」とのべるなど、どの要求でも、「自公民『オール与党』都政を追い詰め、実現まであと一歩」のところまで来ていることを強調。「『共産党を伸ばせば都政は必ず変わる』という訴えが、リアリティーをもって受け止められている」「党を伸ばす都民的大義がこんなに鮮明な選挙はない」と力説しました。

無駄遣いの焦点―外環道に唯一反対

 二つ目は、「無駄遣いをなくせ」という強い都民の願いに関してです。志位氏は、無駄遣いの最大の焦点は、3環状道路、とりわけ外かく環状道路計画にあるが、この問題で正面からストップといえるのは日本共産党だけだとし、自公はもちろん、選挙戦では「コンクリートより人」(鳩山由紀夫代表)と述べている民主党も、外かく環状道路を「石原知事の最大の成果」と推進してきた事実を指摘。「1メートル1億円の外かく環状道路より、福祉の充実をという訴えが非常にわかりやすくかみ合っている」と述べました。

政治の根本転換の願いに答えを示す

 三つ目は、政治の閉塞(へいそく)感が満ち満ちるなか、都民の「大きく政治を変えてほしい」という願いにたいしても、日本共産党が答えを示していることです。「『暮らしを守り、政治に筋を通す党』はどこか、それをはかる『四つの試金石』」という政党対決の核心の押し出しは、「政治を変えたい」という国民の願いとも響き合うものとなっています。

 志位氏は、これら三つのどの問題でも、自公民には「都民要求にこたえる」という基本姿勢がないと強調。各党が多少でもそれにふれようとすると、すべて過去にとってきた行動を問われる事態になることを具体的に明らかにし、こう呼びかけました。

 「これだけ“要求選挙”という“選挙戦の大道”を攻勢的にたたかっている都議選は最近ではないのではないでしょうか」「この選挙の大道を堂々と歩んでいるのが日本共産党です。どんな要求から出発しても、党への支持に結びつけることができます。支持拡大に壁はありません。このことに確信をもってがんばりぬこうではありませんか」

第二の確信―「政権選択」論押し付けに攻勢的論陣

 第二の確信は、「自民か、民主か」という「政権選択」論の押し付けにも攻勢的な論陣をはってたたかっていることです。

 志位氏は、NHKが民主党を都議会野党として扱う“誤報”を繰り返している例もあげ、「政権選択」論は「いささかも軽視できない」と指摘。同時に、日本共産党がこれを打破し、突破する論立てをしっかりと握っていることにも確信を持とうと強調しました。

 日本共産党は、都政の政党対決の構図が、具体的争点のどの問題でも、「自民か、民主か」ではなく、「自公民『オール与党』か、日本共産党か」にあることを一貫して浮き彫りにしてきました。民主も石原知事の提案の99・3%に賛成した“立派な与党”です。

 志位氏は、「(99・3%は)これだけでも強烈なインパクトがあり、都民の中に浸透しだしている」と指摘。佐々木信夫・中央大学教授(行政学)が「民主もほとんどの議案に賛成しており、共産の指摘のように『立派な与党』と言われればその通りだ」(「毎日」3日夕刊)と発言していることを紹介しました。

 日本共産党は、都議選を、「国政に影響を与える選挙」と位置づけ、ここでも党の値打ちを正面から押し出しています。志位氏は、「四つの試金石」は、そのすべてが「二大政党」との対比で党の値打ちを押し出したものであり、自民と民主の双方にたいする「もっとも痛烈な批判」を、「前向き」におこなえるものだと強調。国政でも、対決構図が「自公民か、日本共産党か」にあることを浮き彫りにしており、自信を持ってたたかいに挑もうと訴えました。

 さらに志位氏は、この問題で「自公民」の態度も解明しました。

 自民は、都政でも国政でも語るべき中身をまったくもっていません。志位氏は、麻生太郎首相が都議選の第一声で「定額給付金覚えている?」「エコポイント始めた。売れているだろ? 買った?」と、公金を使った選挙買収を自己証明したことをユーモアも交えて批判しました。

 公明はどうか。都政について「国政の下請けではない」といいながら、もっぱら、「東京の福祉は全国一」とのうそや、「共産党は実績ない」との攻撃に終始している実態を批判しました。

 民主については、「野党ポーズ」と「政権交代」の主張が二つの特徴だと指摘。「野党ポーズ」については、都議選の“目玉”として、新銀行東京を批判したり、築地市場移転反対を主張しているが、いえばいうほど、これに賛成してきた自分に突きささる問題だと述べました。

 また、同党が「政権交代を東京から」と訴えている問題では、「政権交代」といっても、どういう日本をつくるのかの肝心の中身がないことに加え、鳩山代表の偽装献金疑惑に言及。動機も原資も一切明らかにされていないことを批判し、「政権交代」をいうなら、まずこの疑惑への説明責任を果たせと喝破しました。

 志位氏は、「『自民か、民主か』をどんなに叫んでも、中身は空っぽです。軽視はしないが恐れる必要もありません。本当の政党対決の構図を広い都民のなかに知らせきって、『二大政党』に痛打を与えようではありませんか」と力を込めました。

第三の確信―綱領と日本の進路語る20カ月の努力

 第三の確信は、2007年9月の第5回中央委員会総会以来、20カ月にわたって「綱領を語り、日本の前途を語りあう大運動」にとりくんできたことです。

 東京では、「大運動」の「集い」と各分野の懇談会の参加者は13万人、演説会を含めると26万人に達しています。また、昨年の党創立記念講演会DVDは9万本、5月の有明コロシアム演説会DVDは3万本が活用されています。

 さらに、綱領と情勢の響き合いは、この間、志位氏がおこなった雇用問題での財界・大企業への働きかけや、核兵器廃絶に向けた米国大統領への書簡と返書などにもあらわれていると指摘。これらは、保守層も含めて党へのイメージを変えつつあると述べました。

 「しんぶん赤旗」に野中広務元自民党幹事長が登場したり、週刊誌上で日本共産党の不破哲三前議長と中曽根康弘元首相が対談したことをあげ、「これにも時代が変わりつつあることが示されています。これまでの20カ月の努力をかならず、選挙勝利に実らせよう」と呼びかけました。

 志位氏は発言の最後に、都議選を攻勢的にたたかえる土台には、この間、日本共産党都議団が果たしてきた「都民の利益を守りぬく素晴らしい」役割があること、そして40人の都議選候補の奮闘があることを力説するとともに、東京と心を一つにした全国の党組織の熱烈な思いと支援に感謝を表明。「この歴史的な政治戦、必ず勝利するためにみなさんと全力を挙げる」と決意を表明しました。


政党の値打ちをはかる四つの試金石

 ○消費税に財源を頼る党か、頼らない党か

 ○財界にモノを言える党か、モノを言われる党か

 ○企業・団体献金に頼る党か、きっぱり拒否する党か

 ○「二大政党」による危険な政治の競い合いにストップ



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