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2009年7月7日(火)「しんぶん赤旗」

「本人同意不要」に疑問

臓器移植法改正案 参考人が指摘

参院厚労委


 参院厚生労働委員会は6日、一律に「脳死を人の死」とし、本人の同意なしに年齢制限なく臓器提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)と、日本共産党や野党有志が提案した「子どもの脳死臨調設置法案」について、参考人質疑を行いました。

 全国交通事故遺族の会の井手政子氏は「家族が交通事故で脳死といわれても受けとめられなかった」とみずからの体験を語り、そのような場で臓器提供の意思確認を求められることに反対の意思を述べました。全国腎臓病協議会の宮本高宏会長は「28万人いる人工透析患者の平均余命はそれ以外の人の半分しかない」と述べて、根本治療である脳死移植が不可欠だとして、A案支持を表明しました。

 東京財団の島(ぬでしま)次郎研究員は本人同意を不要としたことなどA案への疑問を述べたうえで、衆院本会議で4案のどれかに賛否を問うたことに異議を唱え、本人同意の有無や「子ども脳死臨調」設置の可否など論点ごとに議論を尽くしてよりよい改正案を作るべきだと述べました。

 日本共産党の小池晃議員は、小児科学会による小児科医へのアンケートで小児の脳死判断が医学的に可能だと答えている人が32%、虐待の判断が適正に行われるとしている人が12%にすぎないことを示して、「このまま法制度がスタートすれば混乱が広がるのではないか」とただしました。

 日本小児科学会倫理委員会の谷澤隆邦委員長は「ある程度の基盤を作っておくことが必要」と述べました。

 またA案の「脳死を臓器移植に限る」との規定を復活させる「修正案」の動きがあることについて「A案の問題点を解決するものではないのではないか」と小池氏が尋ねたのにたいし、島氏は「A案の本質は本人同意を外すかどうかにあるので、指摘の通り」と答えました。



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