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2009年7月6日(月)「しんぶん赤旗」

主張

「ものづくり」

中小企業の技術力は日本の宝


 世界経済危機を引き起こした「金融の暴走」への批判がつよまるもとで、経済の土台である「ものづくり」の重要性があらためて見直されています。

 6月26日に国会内で緊急に開かれた「まち工場を守れ! 中小企業のものづくり技術力は日本の宝」には、全国12都府県から町工場経営者が集まり、中小企業にたいするものづくり支援策の強化を要請しました。

積極的な支援策が急務

 いま「ものづくり」の意義が見直されているにもかかわらず、不況のしわ寄せを受けて中小製造業者の経営は深刻な状態です。

 政府の「ものづくり(製造基盤)白書」(2009年版)では、「我が国競争力を支えてきた輸出関連ものづくり中小企業」は、「このままでは、人材や技術の基盤が崩壊するおそれ」と指摘しています。

 「中小企業白書2009」でも、昨年12月時点で輸出大企業からの発注量が減ったとする中小製造業者は80・3%にものぼり、輸出大企業による急激な減産が下請け企業を直撃していると分析しています。取引単価も引き下げられ、下請代金支払遅延等防止法違反を訴える「下請かけこみ寺」への相談は、今年3月までの1年間で3752件に達しています。

 中小企業家同友会全国協議会(中同協)が発表した重点要望・提言では、中小企業の「ものづくり」、仕事づくりへの支援の抜本的強化や、セーフティーネット(安全網)の金融機能の拡充などをかかげています。

 日本共産党の吉井英勝議員は5月22日の衆院経済産業委員会で、日本の技術力を支えている中小製造業者を守るために、緊急措置として、貸し工場への家賃補助や元請け業者の注文に応じた設備投資に対する減価償却への助成などの実施を求めました。二階俊博経産相は「現場に赴き、救済策を即刻考える」と明言しました。

 政府の「ものづくり白書」の指摘にもかかわらず、自公政府の中小企業施策は「ものづくり」の基盤を支える中小企業の方を向いていません。

 たとえば、今年度予算では、大企業・大銀行には何十兆円もの公的支援をおこないながら、中小企業予算は、わずかに1890億円(一般歳出の0・37%)にすぎません。研究開発減税の恩恵の97%は資本金1億円以上の企業に集中しており、「ものづくり」の基盤を支える大多数の中小企業には恩恵が及びません。

総選挙、都議選の争点に

 「ものづくり」を支える中小企業をどう支援するかの問題は、都議選や目前の総選挙でも、争点の一つとなっています。

 日本共産党は、「中小企業こそ主人公」の立場から、「中小企業憲章」を制定し、中小企業予算を一般歳出の2%、1兆円程度にふやすことを主張しています。

 日本共産党東京都委員会が発表した中小企業政策のなかでは、「ものづくり」企業支援のために、新製品や新技術を開発する委託研究制度の新設や、大企業にも拠出を求める緊急休業補償制度の創設などを掲げています。都財政のごく一部を使うだけで実現可能です。

 真に中小企業政策の前進をはかるためにも、都議選と総選挙での、日本共産党の前進・勝利が求められています。


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