2009年6月17日(水)「しんぶん赤旗」

「学費が負担」6割に

全学連が「学費・雇用黒書」

家族に苦労 就職の不安も


 全日本学生自治会総連合は高学費や就職活動について学生の声を集め、「学費・雇用黒書2009」(42学園2930人分)にまとめています。

 58・1%が「学費を負担に感じる」と答えています。負担に感じる内容(複数回答)として、最も多いのが「家族や親せきに苦労をかけていてつらい」(56%)。

 奨学金を「借りている」は32・9%、「借りようとしたが借りられなかった」のは5%、「借りなかった」が54・7%でした。

 86・6%が就職活動に「不安がある」と答えています。不安の内容(複数回答)は「正規職に就けるか」(53%)、「自分の専門や興味を生かせるか」(37%)、「働き続けられるか」(22%)と続いています。

 就職活動による学生生活への支障は「ある」が50・7%、「ない」が49・3%です。内容(複数回答)は「交通費の負担が大きい」(35%)、「講義や実習に出られない」(33%)、「精神的に追い込まれる」(29%)、「アルバイトができない」(26%)などの悩みが寄せられました。

 和光大学(東京)では昨年に引き続きアンケートを取りました(数字は黒書に含まれる)。143人(6月12日現在)から回答を得ています。学費を負担に感じていると64%が答えました。「バイトで睡眠時間を削っている」と答えた学生は25%で前年の倍になりました。8人が「大学に通う意味がわからなくなった」と答え、「バイトが主なのか、学業が主なのかわからない」などの声が寄せられています。

 奨学金を「借りている」は42%、「借りていない」は54%でした。借りない理由として「借金になるから」「利子がつくから」があげられています。

 立命館大学(京都)文学部自治会で集めたアンケートでは、学費や雇用・就職問題について、半数以上が不安を持っており、95%が、「学費を下げてほしい」と答えています。

黒書に寄せられた声

 ◇学費が負担

 「行きたい大学を学費であきらめた」「大学進学をあきらめたり、受験する大学を変えたりする友人がいた」「一人暮らしができず、片道3時間かけて通っている」「テキストが高くてゼミ活動も満足にできない」

 ◇奨学金の返済が不安

 「借りないと家族が生活できない」「卒業後にきちんと就職して返済できるか不安」

 ◇就職が不安

 「自分のやりたい仕事につけるかが不安」「就職活動の早期化で学問に集中できない」「就職しても安定した収入を得続けることができるか不安」

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