2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」

鳩山総務相が辞任

郵政社長人事 麻生政権3人目


 鳩山邦夫総務相は12日、日本郵政の西川善文社長の続投をめぐり、麻生太郎首相と行った同日2回目の面談で辞表を提出し辞任しました。麻生内閣の閣僚辞任は、一方的に日教組への批判を繰り返して国土交通相を辞任した中山成彬氏、外遊中の酩酊(めいてい)会見で財務・金融相を辞任した中川昭一氏に続き3人目。低支持率にあえぐ麻生政権へのいっそうの打撃です。

 麻生首相は、後任の総務相として佐藤勉国家公安委員長の兼務を決めました。

 鳩山氏は、「かんぽの宿」の不透明な売却などを理由に、29日の日本郵政の株主総会が西川社長再任を議決した場合でも、日本郵政株式会社法が規定する権限を行使し、続投を認可しない意向を示していました。一方、自民党内には、小泉「改革」の象徴である西川氏を交代させれば、「改革」後退の印象を招きかねないことから、鳩山氏の姿勢に反発する声がありました。

 鳩山氏は、辞表提出直後の記者会見で、「今回の総理の(西川社長続投の)判断は間違っている」「正しいと思ったことが通用しなかったら、潔く去るのがいい」と発言。麻生首相が「非常に残念だが」と述べて辞表を受理したことを明らかにしました。

 また、面談の席上、麻生首相が、西川社長が鳩山氏に「頭を下げる(謝罪する)」という「妥協案」を示したといいますが、鳩山氏は「一切拒否した」としています。鳩山氏は自民離党などについては「(今後)仲間たちと相談する」と述べ、離党を否定しませんでした。

 鳩山氏は、西川社長の続投問題で同氏の立場を擁護する兄の鳩山由紀夫民主党代表との連携の意思を問われ、「いま申し上げることではない。ありえないだろう」と否定しました。

 河村建夫官房長官は同日の記者会見で、西川社長続投を認めるかどうかは「佐藤新大臣のもとで、(総務省の)業務改善命令への日本郵政側の対応をみて判断することになる」と述べました。

「問題の根本に民営化路線」

こくた氏が指摘

 日本共産党の、こくた恵二国対委員長は12日、日本郵政の西川善文社長の続投をめぐり鳩山邦夫総務相が辞任したことについて、国会内で記者団に問われ、「このことは、『かんぽの宿』売却問題や、西川氏が頭取を務めた三井住友銀行と日本郵政との癒着など、国民の財産を切り売りした西川氏の責任を棚上げしてでも民営化路線を進めるという麻生政権の表明だ」と述べました。

 こくた氏は「問題の根本にある郵政民営化路線推進という点では、麻生太郎首相も鳩山総務相も変わりはない。日本共産党は、国民へのサービス切り捨てなどを中心とした郵政民営化の根本的転換を今後も求めていく」と強調しました。



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