2009年6月12日(金)「しんぶん赤旗」

生活保護相談後に餓死

一人暮らし53歳男性

遺体発見の2カ月前


 三重県桑名市で4月末、餓死状態で発見された、一人暮らしの男性(53)が、餓死2カ月前に市に生活保護再申請の相談をしていたことがわかりました。近所の人から餓死の事実を聞き調べた日本共産党の星野公平市議は、福祉行政のあり方を問います。(三重県・白瀬総彦)


三重 桑名市、訪問対応せず

 星野市議の調査によると、男性は父親と2人で暮らしていました。もともと体も弱かったようですが、昨年2月に父親が亡くなり、6月にはアルバイトも無くなってほとんど無収入になり、生活に困窮していたもようです。

 8月に、地元の民生委員の援助で市に生活保護を申請。翌月には保護が決定し、毎月7万円ほどを市の窓口で受け取っていましたが、12月末の1月分支給日には現れませんでした。

 市側はこの間、就職活動の報告をするよう男性に再三求めていました。

 年が明けて市の担当者が男性宅を訪問すると、働き始めたからとお金を受け取らなかったため、1月1日付で保護は打ち切りになりました。

 その後、2月末に男性から生活保護を再度受けたいとの電話が市に入ったようですが、窓口には現れず、そのまま4月の遺体発見となりました。

 星野市議は「電話を受けた後、市が男性宅を訪問するなどの対応を取っていれば、助けることができたかもしれない」とし、生活保護を打ち切った後も完全に自立するまでのフォロー体制や、担当するケースワーカーの増員と、専門職としての資質向上が必要だと指摘しています。

 社会福祉法では、ケースワーカー1人につき担当する生活保護世帯は80が基準になっています。ところが、星野市議によると桑名市では、生活保護世帯数576(3月現在)に対しケースワーカーは6人で、多い人は130世帯ほどを担当しているといいます。



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