2009年6月5日(金)「しんぶん赤旗」

「指導力不足」と教員免職

2審も処分取り消し

京都市敗訴


 「指導力不足」などと一方的に決めつけられ免職された採用1年目の京都市の男性教員(36)が、免職処分の取り消しを求めた訴訟で、大阪高裁(赤西芳文裁判長)は4日、免職処分の取り消しを命じた一審の京都地裁判決を支持し、市の控訴を棄却しました。

 元教員は2004年4月に採用され京都市立洛央小学校に赴任。試用期間が終わる05年3月末に、事実関係の調査をせず、元教員の主張も聞かず分限免職処分が下されました。

 今回の判決は、京都市の処分理由を「管理職らの原告に対する評価が客観的に合理性を有するものか否か疑わしい」と退けた一審判決を支持。さらに赤西裁判長は、試用期間中の教員について「今後研さん等に努めて成長していく過程の者」であり、市側の理由では直ちに免職の対象にはならないとしました。

 閉廷後の勝利報告集会で元教員は、「裁判を通じて誇りと尊厳を取り戻せた。一刻も早く教壇に戻りたい」と話しました。

 新谷一男・京都市教組委員長の話 どんな職業でも、管理職や同僚が将来のある若者を育てる環境にすることが求められている。今回の判決は、管理強化が進む教育現場を当たり前の職場に戻す意味で意義がある。



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