2009年5月25日(月)「しんぶん赤旗」

貧困直視し世に問おう

自由法曹団 五月集会始まる


 自由法曹団(松井繁明団長)の「二〇〇九年五月研究討論集会」が二十四日、長野県内で開かれました。二日間の日程で、全国から集まった五百六十人が活発に討論し交流しました。

 集会では鷲見賢一郎幹事長が報告。いすゞ自動車の期間労働者の解雇撤回のたたかいで、五百五十三人が勝利したことは大きな成果だと強調。「非正規労働者、ワーキングプアの過酷な実態を現場に立って直視し、裁判で突きつけ、広く世に問いかけるなら必ず勝利できる」とのべました。

 また、裁判員制度、平和と憲法を守る課題について報告し、「貧困・格差と治安強化の社会か、海外派兵・侵略の日本になるのか、いまは時代の大きな転換点。国民一人ひとりが主人公になる社会へ、全団員が力をあわせて未来を切り開こう」と呼びかけました。

 集会では、「憲法・平和」「労働問題」「貧困・社会保障」「刑事裁判」「国際問題」「環境・公害」の六つの分科会がもたれました。

 「貧困・社会保障」の分科会では、大阪市立大学大学院法学研究科の木下秀雄教授が講演。「現在の貧困は、雇用の権利が守られないもとで、これまでの延長でない深刻さと広がりがある。貧困の当事者にも、それ以外のわれわれにもある“貧困の自己責任論”や“社会保障財源問題”をきちんと克服しないといけない」と強調。「社会保障の訴訟に限らず、あらゆる事件、訴訟の背景にも貧困問題が多くあるという視点をもったうえで法的にアプローチしてほしい」とのべました。

 集会には日本共産党の仁比聡平参院議員が参加し、来賓あいさつ。「自公政権の政治を終わらせ、社会保障を予算の中心にすえる政治へ転換するために、ごいっしょに力を合わせましょう」と話しました。



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