2009年4月28日(火)「しんぶん赤旗」

主張

補正予算案

危機を深刻にした反省がない


 麻生内閣が新たな「経済対策」に伴う補正予算案を閣議決定し、国会に提出しました。

 与謝野馨財務相は財政演説で、日本は「『経済危機』と言える状況にある」と強調しました。

 急激な景気悪化は国民生活に深刻な打撃を与えています。しかし、「経済危機」は降ってわいたわけではありません。従来の政策を反省し、抜本転換する対策でなければ、暮らしと経済を立て直すことはできません。

外需願望にしがみつき

 IMF(国際通貨基金)の見通しによると、今年の成長率はEU(欧州連合)が4・2%減、アメリカが2・8%減、世界の平均が1・3%減です。これに対して日本はマイナス6・2%と、最も厳しい予測になっています。

 外需頼みの成長路線が根底から問われていると同時に、浮き彫りになっているのは大企業の雇用破壊が景気悪化を増幅する元凶になっていることです。輸出大企業がいっせいに「派遣切り」「期間工切り」に走り、正社員にもリストラの手を伸ばして、全体として内需を冷え込ませています。

 外需の落ち込みが、直ちに雇用の破壊と内需の冷え込みに直結する悪循環を断ち切る必要があります。そのためには、何より大企業に雇用を守る社会的責任を果たさせることが重要です。

 大企業は巨額の内部留保の一部を取り崩すことによって雇用を維持できる「体力」を持っています。大企業の経営にとっても、日本経済にとっても、最大の財産である雇用を守り、知恵と技術を育ててこそ将来の展望が開けます。政府が第一にやるべきなのは、大企業のリストラ競争に「待った」をかけ、「内部留保を使って雇用を守れ」と本腰を入れて指導することです。その姿勢が、「経済対策」には決定的に欠けています。

 与謝野財務相は財政演説で「外需依存から内需主導の成長に体質転換を進める」とのべました。しかし、外需依存は自公政治と「構造改革」路線がもたらした根深い問題です。小手先の対策、一年限りのばらまきでは正せません。

 与謝野財務相は、外需の落ち込みは「一時的」で、いずれ外需が「戻って来る」と先月の記者会見で発言しています。二〇〇七年度まで、日本の輸出はアメリカの借金まみれの過剰消費、消費のバブルに依存して、過去最高の伸びを示しました。そのバブルが崩壊して借金の山が残り、アメリカは過剰消費型の経済運営の転換を迫られています。

 いまだに「外需が戻る」という願望にしがみつき、選挙目当てのばらまきに終始しているのは「百年の計」を誤る大失政です。

家計を温める政策に

 自民党幹部さえ「経営者の視点で規制改革が進められ、その結果派遣の大量打ち切り、多くの人を失業に追い込んだ」(尾辻秀久参院議員会長)と指摘しています。

 必要なのは財界本位の規制緩和路線を改め、雇用を守るルールを確立することです。暮らしの安心を壊し、貧困に拍車をかけてきた社会保障の改悪・予算削減の路線を根本から改めることです。

 「入り口は一年限りのばらまき、出口は消費税増税」では景気が良くなるはずがありません。むしろ消費税は減税すべきであり、家計を冷やす税制から家計を温める税制への切り替えが必要です。



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