2009年4月20日(月)「しんぶん赤旗」

カリブ 海面上昇の影響大

米州サミット 温暖化防止協力へ


 【ポートオブスペイン=西村央】当地で開かれている米州首脳会議二日目の十八日、世界的な金融危機の影響で大きな打撃を受けている中南米諸国の経済再建策や、温室効果ガス削減に向けた「クリーンエネルギー」の普及などを中心に議論が進められました。

 終了後に会見した米国のサマーズ国家経済会議(NEC)議長は、世界的な国内総生産(GDP)の縮小は1%程度だが、貿易は10%規模で減少していると指摘。中南米諸国がこの影響を受けて、輸出激減の事態となっており、オバマ大統領がこれら諸国の経済成長に向けた資金供与を約束したことを紹介しました。

 さらに、先のロンドンでの金融サミット(G20)で合意した「タックスヘイブン」(租税回避地)への規制強化問題で、オバマ氏がカリブ海諸国に対し、透明性を確保する方向に転換するよう呼びかけたことを明らかにしました。

 温暖化問題で米国のチュー・エネルギー長官は、カリブ海諸国では海面上昇の影響は大きく、温暖化防止はまったなしの課題だと討議されたと指摘。クリーンエネルギーの導入などで「新たな協力関係の構築が必要だ」と強調しました。

 また同日午後に演説した国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、「この二年間、食料、エネルギー、気候変動、世界的な景気後退と、重大な危機が連続した」と指摘。エネルギーの効率化という課題に加え、国家財政の縮小、援助計画の減少といった厳しい現実があることをあげ、「持続可能で、繁栄する未来のための、効果的な解決策を見いだしていく必要がある」と問題提起しました。

 米国のキューバ外交で変化の方向が示されたことについては、「時代の変化の兆候である」と歓迎の姿勢を示しました。

 首脳会議は十九日、閉幕します。



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