2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」

主張

違法献金疑惑

国会が真相究明の責任果たせ


 準大手ゼネコン・西松建設の違法献金疑惑にたいし、国民の批判は広がる一方です。

 疑惑に対し検察など司法当局が厳正・公正な捜査を尽くすとともに、疑惑を抱かれた政治家とその所属政党が自ら解明の責任を果たし、国民に説明するのは当然ですが、同時に国会も真相の究明と政治的・道義的責任を明確にする責務があります。

参考人招致と集中審議を

 日本共産党は三月三十日、関係者の参考人招致と、衆参両院予算委員会での集中審議を各党に申し入れました。参考人招致では各党代表が出席したテレビ討論でも合意しています。各党は、国会がその責務を果たすよう、誠意を持って努力すべきです。

 違法献金疑惑に対する国民の批判は沸騰しており、国民の声にこたえることは国会の責任です。

 「西松」から政治団体を偽装した巨額の献金を受け取りながら、政治資金収支報告にうそを届け出た疑いで小沢一郎民主党代表の公設秘書が逮捕・起訴されました。にもかかわらず疑惑そのものについて説明責任を果たしていない小沢氏と民主党に対しては、どの世論調査でも厳しい批判が相次いでいます。

 一方、現職閣僚である二階俊博経済産業相らの疑惑が指摘されているにもかかわらず、捜査の手がまだ及んでいないことをいいことに、自ら疑惑を解明しようとしない二階氏らと任命権者である麻生太郎首相、所属政党の自民党へも批判の声が集まっています。

 こうした中で、国会自身が違法献金疑惑の真相を究明し、政治的・道義的責任を明らかにすることは、国民の政治への信頼を回復するために不可欠です。

 集中審議はもちろん、日本共産党が提案したように、起訴されていない西松建設の元総務部長や、「西松」がダミーにした二つの政治団体の代表らを参考人として招致することは、国会がその気になれば今すぐ実現できます。国会は直ちに参考人招致などを実現すべきです。

 違法献金疑惑は、企業献金と引き換えに、「西松」などが国や自治体の公共事業の受注を有利にしようとしていたのではないのかとの疑惑と結びついています。税金の使い道を厳正に調査し、監視するという点でも、国会には真相究明の先頭に立つ責任があります。

 主権者でなく、選挙権を持たない企業が献金するのは見返りを求めるためです。現に「西松」は献金と引き換えに小沢氏や二階氏の地元でダムや空港などの公共工事を受注したことが疑われています。事実とすればまさに国民の税金が献金として還流していたことになります。国政の根本問題として国会は徹底して調査し、真相をあきらかにすべきです。

国政調査権の威力発揮を

 国会が国政上のあらゆる問題について調査し、証人としての証言や記録の提出などを求めるのは、「国政調査権」として憲法にも明記された国会の権利です。国会は今こそこの趣旨を生かして、違法献金疑惑の真相究明と責任の明確化にあたるべきです。

 司法当局や疑惑の政治家・政党任せにせず、疑惑の究明に力を発揮することは、文字通り「国政調査権」を持つ国会の、国民に対する責任が問われる問題です。



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