2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」

整備中に放射性廃棄物

原子力空母GW 1トン分を搬出

横須賀基地


 米海軍横須賀基地(神奈川県)に昨年九月に配備された原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)のメンテナンス作業中に出た「低レベル放射性廃棄物」約一トンが、米国に向け搬出されていたことが分かりました。本紙の問い合わせに、在日米海軍司令部が一日認めました。

 放射性廃棄物は三月二十八日に米海軍がチャーターした貨物船で搬出されました。同司令部はまた、今年一月に始まったGWのメンテナンスの対象には、燃料・炉心に直接つながっている原子炉の一次冷却系設備も含まれていることを明らかにしました。これらは作業員の被ばくや周辺環境への放射能漏れのおそれもある危険な作業です。

 メンテナンスは五月上旬までの予定で、米ワシントン州のピュージェット・サウンド海軍造船所から派遣された作業員約五百五十人を中心に行われています。在日米海軍司令部によると、放射性廃棄物はこのメンテナンス中に出たもので、横須賀配備後にGWから搬出されたのは「初めて」。廃棄物の中身は「(放射能を帯びた)布きれやプラスチック・シート」などとしています。

 原子力空母の横須賀配備にあたり米海軍が「堅持」を約束した一九六四年の「エード・メモワール」(覚書)は、「放射能にさらされた物質は、通常、外国の港にある間は…搬出されることはない」としています。原子力艦船の外に搬出したことは、この約束に反するものです。



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