2009年3月19日(木)「しんぶん赤旗」

主張

後期高齢者医療制度

国民の声に応えて廃止せよ


 舛添要一厚労相が主宰する「高齢者医療制度に関する検討会」が、最終報告を発表しました。最終報告でありながら、複数の「見直し」意見を並べた「議論の整理」にとどまっています。

 政府・与党は見直し案の策定を秋以降に先送りする見通しです。

小手先の「見直し」で

 麻生太郎首相は昨年九月、初めての所信表明演説で「高齢者に納得していただけるよう」制度を見直すと表明しています。舛添厚労相も「大胆に見直す」と言いました。半年を費やしても見直し案すら国民に示せなかったことは竜頭蛇尾というほかありません。

 国民の厳しい声を受けて、昨年秋に始まった検討会では、制度への根本批判が噴出しました。

 「国民はもしかしたらこれは非常に抜本的な改革、制度そのものを取り替える改革を望んでいるかもしれない」。「この制度に名前を付けるならば、七十五歳以上及び障害者『厄介払い医療制度』ということになる」―。

 ところが麻生内閣の発足に当たって自公が結んだ政権合意は、後期高齢者医療制度を「よりよい制度に改善する」と、制度存続を大前提に据えました。自公が「廃止」の選択肢を葬り去り、議論の出口を小手先の「見直し」に限定したことは、検討会が結論を出せなかった大きな原因の一つです。

 最終報告が具体的に「見直す」と明記したのは、「後期高齢者」「終末期相談支援料」の“名称”だけです。「『後期高齢者』や『終末期相談支援料』といった名称は、高齢者の尊厳を損なうもの」だとしています。しかし高齢者の尊厳を損なっているのは、年齢で区切って別枠の医療保険に囲い込み、高い負担で安上がりの医療を押し付ける「後期高齢者医療制度」そのものです。

 たとえば保険料は、「後期高齢者」の人口比率の上昇に伴って、二年ごとに上がっていく仕組みです。制度が延命する限り、際限のない負担増が国民を襲います。重い負担を高齢者に“実感”させ、がまんを強いて、検査・投薬・手術を制限したり、複数の診療科を受診しにくくする計画です。

 保険証取り上げも大問題です。後期高齢者医療制度では保険料を一年以上滞納すると保険証を取り上げ、「資格証明書」に切り替えます。そうなると、いったん窓口で医療費全額を払わなければならないため、実際には医者にかかれなくなります。以前の老人保健制度では、七十五歳以上の高齢者は保険証取り上げの対象外にしていました。

 参院厚労委で十七日、この点を追及した日本共産党の小池晃議員に、舛添厚労相は「しゃくし定規に、期限がきたからと資格証明書を出すような冷たい扱いをしてはならない」と答弁しました。答弁を名実ともに守るのなら制度そのものを改める必要があります。

国庫負担を元に戻して

 従来の老人保健制度をやめて、この制度を導入したことに大義はありません。検討会でも「老人保健制度は結構うまくできていた」という意見が出ています。問題は国庫負担を一割近く引き下げてきたことにあります。

 後期高齢者医療制度を撤廃し、減らされ続けた国庫負担を元に戻して高齢者の負担を軽減し、年齢や所得による差別のない医療制度を確立すべきです。



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