2009年3月19日(木)「しんぶん赤旗」

輸入食品 9割、検査なし

抜本的引き上げ要求

衆院消費者委 吉井議員が質問


写真

(写真)質問する吉井英勝議員=18日、衆院消費者問題特別委

 「消費者重視というなら、まず食の安全に全力を挙げよ」―。日本共産党の吉井英勝議員は十八日の衆院消費者問題特別委員会で、食の安全への国民不安が広がっているのに、輸入食品の九割が国の検査なしに食卓にのぼっていると指摘し、検査率の抜本的引き上げを求めました。

 輸入食品の検査率は、一九八九年の18%から二〇〇一年に6・8%に下がり、少し回復した現在でも11%にとどまっています。一方で、輸入食品届け出件数は約三倍に増え、検査されない輸入食品は急増しています。

 しかし政府は「検査率そのものを特定して設定していく考え方はとっていない」(厚労省の藤崎清道食品安全部長、〇八年五月二十二日参院農林水産委)と、“検査率を引き上げるつもりはない”という姿勢を示しています。

 吉井氏は「検査率をせめて50%に引き上げるなど、大幅に増やすべきだ」と追及。麻生太郎首相は「〇九年度は検査官を二十七人増やす。(検査官を)増やす方向で検討する」と述べましたが、検査率増は明言しませんでした。

 吉井氏は、現在三百四十一人いる検査官は東京、成田、関西に集中し、北海道にはわずか五人だと指摘。「少なくとも検査官を三千人規模に増員すべきだ。必要な人件費は三百億円程度で、自衛隊員の人件費一兆八千五百九十七億円のわずか1・5%だ。食の安全保障になぜ金を使おうとしないのか」と強調しました。

 麻生首相は「ごもっともなお話だ。検査をきちんとして、国民の安心に寄与するのは当然だ」と答えました。

グラフ

【Movie】輸入食品9割検査なし 吉井議員が抜本的引き上げ要求(09.3.18)



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