2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」

中国、景気追加策も

8%成長「困難だが可能」

全人代閉幕


 【北京=山田俊英】五日から北京の人民大会堂で開かれていた中国の第十一期全国人民代表大会(全人代=国会に相当)第二回会議は十三日、政府活動報告や二〇〇九年度中央・地方予算を賛成多数で採択して閉幕しました。

 閉幕後に温家宝首相が記者会見し、今年8%成長の目標について「確かに難しいが、努力すれば可能だ」と自信を示しました。必要に応じて追加の景気対策を打ち出すことも明らかにしました。

 温首相は「金融危機でさらに困難な事態に対応するため、十分な『弾薬』を用意している。いつでも新たな経済刺激策を出すことができる」と述べました。

 全人代では二〇一〇年まで四兆元(約五十七兆円)を投資する景気対策を正式に承認しました。その一環となる〇九年度予算については、インフラ整備とともに五千億元の減税など生活向上を主にしたと説明しました。

 また、「失業は直面している重大問題の一つだ」とし、雇用の90%を占める中小企業の発展に力を入れると語りました。

 温首相は中国が世界一の米国債保有国となっていることに触れ、「中国資産の安全性を少し心配している」とドルの安定に懸念を示し、「米国は信用を維持してほしい」と呼びかけました。

 外貨準備の運用にあたって「リスク防止が第一の原則であり、多元化戦略も実行している」とドル以外の通貨を増やす考えを示す一方、「国際金融全体の安定も考慮する必要がある」と述べ、ドルからの急激な転換に慎重な姿勢を示唆しました。


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