2009年3月8日(日)「しんぶん赤旗」

自衛隊に秘密体質

イージス艦衝突事件 市民が検証シンポ


 海上自衛隊のイージス艦「あたご」による漁船沈没事件(二〇〇八年二月)がどこまで解明されたのか、市民の手で検証しようというシンポジウムが七日、東京都内で開かれました。

 主催は、平和に生きる権利の確立をめざす懇談会。同懇談会の大内要三運営委員は「たんなる交通事故ではなく、事件である」と強調。当時の報道写真などを示しながら、見張り体制が不備のまま、自動操縦のイージス艦が漁船をよけなかったこと、海上自衛隊による救助活動の不備や通報の遅れなどの問題点を報告しました。

 イージス艦航海長に対する自衛隊側の無断聴取など証拠隠滅の疑いや、自衛隊の秘密主義、安全軽視の体質が浮き彫りになったと指摘。「事件の解明はまだ不十分で、市民が声を上げていくことが必要だ」と訴えました。

 「海難審判で何が争われたか」をテーマに日本海事補佐人会会長の田川俊一弁護士が報告。一九八八年七月の潜水艦「なだしお」による遊漁船衝突事件と、今回のイージス艦による漁船衝突事件を比較。いずれも自衛艦側に早期に民間船舶を回避する「避航義務」があったのにそれを怠り、海上自衛隊が事実を迅速に公表しないで情報操作をした共通点があると指摘。その根本には「民間船が自衛艦を避けるべきだ」という自衛隊のごう慢な姿勢があるときびしく批判しました。



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