2009年3月6日(金)「しんぶん赤旗」

東京都議選(7月3日告示・12日投票)

都民の苦難に応える都政に

若林義春日本共産党都委員長に聞く


 告示まで四カ月を切った東京都議選(七月三日告示、十二日投票)の意義や争点、取り組みなどについて、日本共産党の若林義春都委員長に聞きました。


激戦 国政に大きく影響

  ―都議選の全国的意義や争点についてお話しください。

 若林 景気悪化のなか、都民の暮らしや雇用、営業などあらゆる面でこれほど困難が増大して迎える選挙はかつてありません。どの党が伸びれば都民の暮らしを守れるかが都議選で一番問われています。

 東京都の予算は、すべて合わせると約十三兆円にもなり、カナダの国家予算に匹敵します。その予算の使い方を変えることで都政の方向が根本から変わります。石原都政がやろうとしているオリンピック招致や新銀行東京、築地市場の豊洲移転などではなく、自治体本来の仕事である暮らしや福祉に予算を振り向ければ、都民の生活と雇用、営業を守る大きな仕事ができます。

 国政とのかかわりでいいますと、九月に任期満了を迎える衆院選と都議選が近接して行われます。自公政権の破たんが明確になるなかでの選挙で、いつ総選挙が行われても七月の都議選の行方が国政をも左右する、これまでにない激戦になっています。

 いまの政治を変えるとともに、都民の暮らしをどう支えていくか、これからの社会保障をどうするかを左右します。どの政党がいまの現状を打開し、都民の願いを実現する確固とした力を持つかを見極める選挙となります。

都政変える実績・活躍

  ―この四年間の党都議団の活動で都政を変える大きな実績をあげてきましたね。

 若林 そうです。一つは福祉を充実させ、暮らしを守る役割です。石原知事は国政の小泉「構造改革」路線を先取りして福祉切り捨てを進めてきました。就任した一九九九年の民生費は全国二位でしたが、二〇〇六年には四十四番目に落ち込みました。

 なかでも老人福祉費の割合は全国二位から四十七位と最下位です。老人医療費助成制度の段階的廃止や月五万五千円の福祉手当廃止、シルバーパス縮小など、都によるすさまじい切り捨てに賛成したのが自民党、公明党、そして民主党でした。日本共産党はこの流れに正面から対決してきました。

 同時に、都民運動と結んで福祉充実の道を切り開きつつあります。福祉保健費は〇三年度の六千十一億円から〇七年度には八千六十六億円まで増えました。中学三年生までの医療費無料化へ一歩前進し、認可保育所への補助も増え始めました。

 二つ目に、税金のムダ遣いをやめさせる役割です。いま、かつてない暮らしの困難に直面しているとき、九兆円もの税金をオリンピック招致やそれを口実にした大型公共事業につぎ込むべきではありません。

 新銀行東京の問題でも一千億円の出資金の多くを失い、追加出資の四百億円も棄損の恐れがあります。大規模な浪費をやめさせるのはどの党かが大争点です。税金のムダ遣いを告発し、マスメディアも動かしてムダ遣いをやめさせる世論を進めてきた党都議団の役割は決定的でした。

 いま、民主党がさかんに野党ポーズをとり、オリンピック招致にも「批判」的な質問を行っていますが、そうであるなら、なぜ三十四人の都議のうち二十一人が自公と一緒にオリンピック招致の議員連盟に加わっているのかが問われます。

 三つ目に、党都議団は知事の都政私物化や自公民都議の豪華海外視察など浪費をやめさせるために全力をあげてきました。四つ目には、憲法と民主主義、教育を守る役割です。全国で東京だけ未実施の三十人学級実現に道を開き、教育の現場に民主主義を取り戻す意味でも、他党と違う値打ちを持っています。

  ―都立病院廃止も大きな争点ですね。

 若林 医師不足の問題では国の責任が重大ですが、石原都政はそれに上乗せして都立病院廃止や公社化を進めてきました。開会中の都議会に清瀬、八王子の小児病院、梅ケ丘病院の三都立病院を廃止する条例を提出しています。東京の福祉と医療を守るたたかいのヤマ場と位置づけて取り組みたいと思います。

共産党の躍進が焦点

  ―都議選での目標とそれに向けた取り組みはどうですか。

 若林 現有十三議席を確保し、議席増を目指します。そのためには総選挙でも掲げている九十万票の得票目標を実現する取り組みが必要です。一九九七年の都議選で日本共産党は八十万余票、二十六議席を獲得しました。総選挙とも結んで投票率が上がることを考えれば、九十万票の目標に挑戦してこそ現有議席を守り、さらに増やせます。

 一方で日本共産党を追い落とそうという「オール与党」の共産党シフトは顕著です。二人区の文京区では前回共倒れした自民系候補を一本化し、民主とともに共産党追い落としを強化しています。

 一般紙で「共産党がどこまで伸びるのかが焦点」と書いた記事が出るなど共産党の伸長は大きな焦点です。国政でも日本共産党の存在感が広がっており、党への理解を深めて得票増に結びつけることが総選挙と都議選の共通の土台になります。

 これまではいかに知事と「オール与党」の悪政を食い止めるかが大きなテーマでした。今回の都議選はそれに加え都民の暮らしが深刻さを増しており、悪政を止めるだけでなく要求実現の道を開く選挙です。雇用を守り、高齢者医療費への抜本的助成や三十人学級など都民要求を前面に掲げ、世論と運動を盛り上げながら選挙をたたかっていきます。

 「オリンピックより暮らしを」の旗を高く掲げて有権者に訴え、論戦や宣伝、対話を進めていきます。従来の支持層を超えた幅広い運動で躍進を勝ち取りたいと思います。

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(写真)都議選の争点・政策を伝える「東京民報」3・4月号外


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