2009年2月27日(金)「しんぶん赤旗」
外環道 白紙撤回迫る
松村都議 住民の大勢は反対
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日本共産党の松村友昭東京都議は二十六日の都議会本会議で、国と都が大深度地下トンネル方式で建設を狙う東京外郭環状道路(練馬区―世田谷区間)計画について、沿線自治体と住民の反対を無視した強権的な事業着手をやめ、白紙撤回するよう石原慎太郎知事に迫りました。
松村氏は、沿線各地で開いた「地域課題検討会」で住民から建設反対の声が大勢を占めたにもかかわらず、国と都が一月、話し合いを打ち切って「対応の素案」を一方的に公表し、建設強行の姿勢を示したと批判。練馬区では外環道建設で湧水(ゆうすい)や森が消え、巨大な排気塔が建設されることに住民の怒りが噴出し、沿線の武蔵野市や杉並区も事業着手を容認できないとしていることを紹介しました。
松村氏は、地球温暖化防止対策として自動車中心社会の見直しが世界の流れであり、鉄道やLRT(新型路面電車)、バス中心への交通政策の転換という時代の要請にこたえるべきだと強調。外環道の白紙撤回の主張を「論外」という知事を批判。地下トンネルは一メートル一億円かかりもっぱら大手ゼネコンなどをもうけさせるものだとして、外環道建設をやめるとともに、住民を“だまし討ち”にし三千棟の住宅を立ち退かせる地上部の「外環の二」街路も取り下げるよう迫りました。
石原知事は「景気対策としてもこれほど効果のある事業は他にない」と開き直りました。只腰憲久都市整備局長は「(外環道は)沿線住民の大方の理解を得られた」と答え、外環道本体の来年度事業化のため「外環の二」については切り離して進める意向を示しました。