2009年2月17日(火)「しんぶん赤旗」

中川財務相の醜態 世界で報道

麻生首相が続投指示


 先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見(ローマ、十四日)で、中川昭一財務・金融相が酩酊(めいてい)状態のような異常な行動をとった問題で、麻生太郎首相は十六日、首相官邸で中川氏と会談し、続投を指示しました。

 中川氏は、G7会合閉幕後の記者会見の席上、ろれつが回らない言葉を発したり、記者の発言を途中でさえぎったり、眠そうに目を閉じたり、明らかに尋常でない行動をとったことが、世界のマスメディアで批判的に報道されました。

 十六日の衆院財務金融委員会で中川氏は、「友人の医師から処方された風邪薬を(規定の)倍ぐらい飲んだ」と釈明。一方で、前日の夕食会と当日の昼食会でワインを飲んだことを認めました。

 麻生首相から続投を指示された中川氏は、「やれということなので、緊張感を持ってやっていきたい」などと記者団に語りました。

 世界的な経済危機が深刻度を増し、その対応を話し合うため開かれたG7で、日本の財務相が世界中に醜態をさらした形となりました。野党四党は国対委員長会談を開き、事実関係追及と問責決議案提出の検討で一致。与党内からも批判が出始めています。麻生首相が中川氏続投を決めたことで、政権への打撃は必至の状況です。


大臣の資格問われる

市田書記局長

 日本共産党の市田忠義書記局長は十六日の記者会見で、中川昭一財務・金融相が先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見で、ろれつが回らないなど異様な言動を見せたことについて、「国際的な重要な会合の後の記者会見でのあのような態度は、大臣の資格が問われる重大問題だ」と批判しました。

 市田氏は、同日発表されたGDP(国内総生産)の成長率が二ケタのマイナスとなったことなどをあげ、「経済危機がこれだけ深刻になっているときに、そういう問題を議論する国際会議後の記者会見に『酩酊状態』で臨むというのは、重大だ」と強調。中川氏が「風邪薬の飲み過ぎ」「酒はたしなむ程度にしか飲んでいない」などと言い訳していることについても、「事実関係を明確にすべきだ。もし酒が原因だとすればきわめて重大だ」と述べました。

 また、記者団から問題の背景について問われて、「(麻生政権の)国民の暮らしがどういう状況に置かれているのかに対する危機意識のなさ、無責任さの表れだ」と指摘しました。


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