2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」

核放棄なら平和条約

対北朝鮮 米国務長官が講演


 【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官は十三日、アジア歴訪に先立ってニューヨーク市内で講演し、「北朝鮮が完全かつ検証可能な形で核開発計画を放棄する用意が真にあるなら、オバマ政権は(米朝)二国間関係を正常化してもかまわない」と述べ、国交樹立も可能との考えを明言しました。同長官は十六日からの訪日を皮切りに、インドネシア、韓国、中国の四カ国を歴訪します。


 クリントン氏は「(朝鮮戦争の休戦協定を)恒久的な平和条約に置き換え、北朝鮮国民に必要なエネルギーや他の経済的必要に応える支援もいとわない」と強調しました。

 北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議について、「交渉を軌道に戻すため、韓国、日本、中国と協議したい」と述べ、アジア歴訪で重要議題にする意向を示しました。六カ国協議は北朝鮮の核開発計画の検証手順をめぐる対立で停滞しています。

 クリントン氏は、対話重視の姿勢を強調した上で、長距離弾道ミサイル発射の準備とされる動きを見せている北朝鮮に対し、「挑発的な行動を避ける責務がある」と警告しました。

 クリントン氏は「アジア太平洋地域との関係が米国の安全保障と繁栄に不可欠だ」と述べ、アジア関係を重視していく姿勢を強調しました。初の外遊先に欧州や中東でなく、アジアを選んだことについても、「米国が大西洋国家というだけでなく、太平洋国家であるというシグナルを送る」ためだと指摘しました。

 また「人権の拡大とこれを尊重する世界の創造に取り組む」として、ミャンマーやチベット問題にも触れました。

 中国について同氏は「敵ではなく、互いに利益を引き出し、成功に貢献できる」と述べ、協力関係をいっそう強める姿勢を示しました。



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