2009年2月14日(土)「しんぶん赤旗」

かんぽの宿 売却白紙に

日本郵政社長、批判受け撤回


 日本郵政の西川善文社長は十三日、総務省で鳩山邦夫総務相と会談し、保養・宿泊施設「かんぽの宿」をオリックス不動産に一括譲渡(売却)する契約を白紙撤回する方針を伝えました。オリックスの宮内義彦会長とも合意、両者の会談を受け、同社側も同日、契約解除を発表しました。

 この問題は、常識はずれに安い売却価格だけでなく、「規制緩和」・民営化路線の旗振り役だった宮内氏が率いるオリックスに決まった経過も不透明で、白紙撤回は、国民の共有財産の「投げ売り」に対する批判の高まりを反映したものといえます。

 日本郵政は、全国各地の「かんぽの宿」計六十九施設と、JRさいたま新都心駅前の宿泊施設「ラフレさいたま」、首都圏の九社宅を一括して約百九億円でオリックス不動産に売却することを昨年十二月に決めました。

 ところが、これらの施設の整備にかかった費用は、土地代と建設費をあわせて約二千四百億円です。「ラフレさいたま」だけでも、約二百八十億円とされ、百九億円という売却価格は、あまりにも安すぎます。

 売却先がオリックスに決まった経過も、最初に応募した二十七社が七社、三社、二社となり、最後まで競ったホテル運営会社は最終段階で事実上、入札からの撤退を表明。競争入札とはいえないものでした。

 一万円で売却された「かんぽの宿」が、半年後に六千万円で売却されていた事実も判明。国民の共有財産を投げ売りしてきた「民営化」路線そのものが問われています。



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