2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」

「対テロ」軍事作戦強化

同盟国に貢献要求

イランと対話期待 オバマ米大統領、初会見


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は九日、ホワイトハウスで就任後初の記者会見を行いました。対アフガニスタン政策の見直しに関し、イラク駐留米軍のような撤退計画はないのかと問われ、「(アフガン戦争が)どれくらいかかるかという日程表は今のところない」と断言、増派による軍事作戦の強化方針を改めて強調しました。

 オバマ氏は、周辺国との外交やアフガンの開発援助を同時に進める方針を政権内で検討していると表明。一方で、「成功のためには、同盟国とのいっそう効果的な調整が必要だ」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)諸国にいっそうの軍事貢献を求める姿勢を示しました。

 オバマ氏は、アフガンとパキスタン国境にまたがる部族地域が国際テロ組織アルカイダや反政府勢力タリバンの温床になっているとして、アフガン戦争のパキスタン領内への拡大も正当化。「パキスタンは、テロリストの脅威に対してたたかうわれわれの不屈の同盟者であるべきだ」と注文をつけました。

 一方、対イラン政策の見直しについてオバマ氏は、「建設的対話を行う余地を検討している」と主張。「今後数カ月で、外交的端緒となる直接対話の席につけるよう期待している」と述べました。

 対イラン外交の目標としてオバマ氏は、米国がテロ組織とみなすパレスチナのイスラム武装抵抗組織ハマスとレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラへの援助を中止することや、核開発計画を中止することを挙げ、「(イランとの間で)少なくとも相互信頼と進歩の関係を築く可能性はあると思っている」と述べました。

“経済対策 遅らせない”

 【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は九日の記者会見で、大規模な雇用の喪失や経済危機の現状にふれ、「対策に遅れがあってはならない」と強調しました。

 オバマ氏は、前政権から引き継いだ財政赤字が一兆ドル(約九十一兆円)を超え、経済危機も大恐慌以来もっとも深刻で、「危機が破局になりかねない」と強調。「経済健全化のために必要なことはすべて実施していく」と表明しました。

 オバマ氏は、景気対策法案が四百万人の雇用を救済もしくは創出することにつながるとして、「これが、いま米国が必要としているものだ」と雇用対策が緊急だと強調しました。

 雇用創出や経済成長を政府だけに頼るのではなく、民間部門にも役割があると指摘。同時に「今は、景気後退のなかで民間経済が弱体化しており、連邦政府は経済を活性化させる財源を持つ唯一の存在である」として、政府主導の経済対策に理解を求めました。

 「信用危機は終わっていない」とも述べ、金融対策の必要性にもふれました。


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