2009年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

モリブデンじん肺訴訟

安全・健康管理に万全期す

元従業員ら勝利和解

松江地裁


 島根県大東町(現雲南市)のモリブデン鉱山で働き、じん肺になったとして、元従業員ら五人が妙中鉱業(千葉県茂原市)を相手取り謝罪と損害賠償を求め松江地裁(片山健一裁判長)に提訴していた裁判で三日、和解が成立しました。

 和解総額は九千百万円。和解条項には被告の謝罪とともに、被告の職場において、今後一切の労働災害及び職業病を発生させないよう、従業員の生命、心身の安全と健康に対する安全配慮義務、健康保持義務を尽くすことの約束も盛り込まれました。

 訴訟中に、二人の原告が亡くなり遺族が志を引き継ぎました。

 支援者ら三十人が参加した報告集会で、安田壽朗弁護団長は「労働者の権利が踏みにじられたことすら気づかないような土地柄で、よく立ち上がって最後までたたかって来られた。労働者の安全衛生、健康管理に万全を期すると約束をさせたことはこれまでのじん肺闘争の到達点をさらに一歩進めたと言える」とのべ、人々の幸せに一つの貢献をしたことを語りました。

 藤原由市原告団長は「本当に長い間ご支援いただきありがとうございました」と、今後もじん肺根絶にむけ頑張る決意を述べ拍手を受けました。



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