2009年2月1日(日)「しんぶん赤旗」

職員会議での挙手・採決禁止

都教委通知批判の校長

再雇用 認められず


 職員会議での挙手・採決を禁止した東京都教育委員会の通知を批判した都立三鷹高校の土肥信雄校長が、定年退職後の再雇用を希望しながら同教委に不合格にされたことが三十一日、分かりました。同校長が都内で「学校に言論の自由を求めてパート2」集会で明らかにしたもの。

 土肥校長は三月いっぱいで定年退職となるため、非常勤講師としての再雇用を希望しました。しかし、一月十六日に都教委から不合格を知らされました。

 土肥校長は懲戒処分を受けたことがなく、処分歴もない校長経験者が再雇用を認められないのは極めて異例。集会で同校長は「すべて法令の範囲でやってきた。なぜ不合格なのか。(都教委を)批判した人間は不合格にするという脅迫ではないのか」とのべました。

 都教委は二〇〇六年に職員会議での挙手・採決禁止を通知。土肥校長は「禁止によって教職員の間に自由な討論がなくなっている」として通知撤回を要求し、都教委に公開討論を求めています。

 再雇用をめぐっては「君が代」の起立斉唱を拒否した教職員の多数が不合格になっていますが、東京地裁は二度にわたり、不起立を理由にした不合格は裁量権の乱用で違法とする判決を出しています。


言論の自由を求め集会開く

保護者と市民の会

 東京都教育委員会が職員会議での挙手・採決を禁止したことを批判して「学校に言論の自由を求めてパート2」集会が三十一日、都内で開かれました。三鷹高校の土肥信雄校長を支援する保護者と市民の会が主催したもので、約千人が参加しました。

 集会では土肥校長や上原公子前国立市長らが校長のリーダーシップとは何かなどをテーマに発言。土肥校長は「学校や生徒の実態に応じ、教育理念を持って教育活動にあたるのが本来のリーダーシップ」と語りました。

 三鷹高校の卒業生三人が「三鷹高校には言論の自由が満ち、上級生にも意見が言えた。校長先生の信念があったからだと思う」と応援のメッセージを述べました。閉会のあいさつで教育評論家の尾木直樹さんは諸外国と比べて日本の教育行政の異常さを指摘し、「教育委員会民主化のイメージをつくろう」と呼びかけました。



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