2009年1月30日(金)「しんぶん赤旗」

温暖化対策

新規資金 年21兆円を

EU新提案 途上国に半分配分


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は二十八日、温暖化対策の国際的合意を目指す提案文書を発表しました。文書は、温暖化対策に全世界で年間千七百五十億ユーロ(約二十一兆円)の新規資金が必要となるとして、先進工業国に温室効果ガス排出量に応じた課金制度の創設を提案、資金の半分以上を発展途上国に振り向けるよう求めました。

 また、先進工業国全体で温室効果ガスを「二〇二〇年までに一九九〇年比で30%削減すべきだ」と強調。すでに20%削減で合意しているEUが30%削減の目標での合意を目指す意思を示しました。また、先進工業国三十カ国で構成する経済協力開発機構(OECD)加盟国共通の排出量取引市場の創設を提案しました。

 今後、排出量の増加が見込まれる新興・途上国に対しては、対策を取らなかった場合の排出量の15―30%を削減目標とするよう提案しました。そのための資金は、途上国自身が捻出(ねんしゅつ)するほか、国際排出量市場や先進国から調達されるべきだとし、この投資が温暖化対策と景気回復に役立つと指摘しました。

 文書では、国際航空や船舶からの温室効果ガスの排出を新たに規制の対象に加えることも提案されています。

 文書は、京都議定書後(一三年以降)の温暖化対策の枠組みを決める国連気候変動枠組み条約第十五回締約国会議(COP15、今年十二月にコペンハーゲンで開催)に向けたもの。同会議の成功を「EUの主要な優先事項」だと確認しています。



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