2009年1月22日(木)「しんぶん赤旗」

老齢加算廃止やめよ

暖房器壊れ寒さしのぐため早めに布団に入る

福岡生存権裁判 原告ら涙の陳述


 北九州市で生活保護を受給している高齢者三十九人が老齢加算廃止処分の取り消しを市に求めている福岡生存権裁判が二十一日開かれ、二人の原告が意見陳述し、つめに火をともすような生活を強いられている実情を訴えました。同裁判は、来月四日結審します。


 「世間の人からは、『医者にはただで診てもらってうらやましい』といわれることがある。引け目を感じ、胸が締め付けられ、みじめで情けなくなる」。原告の女性(74)=同市八幡東区=の涙声が法廷を覆いました。

 女性が生活保護を受け始めたのは、一緒に暮らしていた兄ががんを患って入院した二〇〇〇年から。それまで兄の収入で、きょうだい二人暮らしをしていました。

 暖房器具は壊れているものもあり、寒さをしのぐため、冬は早めに布団に入るといいます。衣類はほとんどがもらいもの。下着は買いますが、二枚で二百円程度のものと決めています。風呂の水も毎日はかえません。

 「生活していて、少しでも笑顔が出るように、生きていて楽しいと思えるようにしてください」。女性はこう意見陳述を締めくくりました。

 意見陳述したもう一人の原告の男性(74)=同戸畑区=は派遣切りをされた若者たちと自身の半生を重ね言葉を震わせました。「今の暮らしは、絶対に人間として健康で文化的な最低限度の生活とはいえない。私たちが頑張ることで若い派遣切りにあって苦しんでいる人たちの貧困問題、人間らしい仕事と生活の問題が少しでも良い方向にいけばうれしい」



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