2009年1月21日(水)「しんぶん赤旗」

職員会議

91%「発言減った」

都立高 挙手・採決禁止通知で

市民団体が調査


 東京都教育委員会が職員会議での挙手・採決を禁止する通知を出したことによって、職員会議での一般教員の発言が減り、発言することが難しくなったと感じている教員が多数にのぼることが、二十日、市民団体が公表したアンケート結果で分かりました。

 アンケートは「土肥校長と共に、学校に言論の自由を求める」保護者&市民の会が実施したもの。都立高校二百一校のうち百九十校の教職員組合役員あてにアンケート用紙を郵送し、組合の加入・非加入を問わず管理職以外の教員に回答してもらうよう依頼。十六日までに百二十一校千七百三十五人からの回答を得ました。全都立高校の一般教員(主幹を含む)約八千四百人の五分の一以上にあたります。

 その結果、通知以降は「職員会議等での発言数が減った」との回答が91%を占めました。さらに「会議で発言しにくくなったと思う」が80%、「教員の言論の自由に悪影響があった」が83%となっています。

 回答者のコメントでは「自分が決定に関与しないので熱意を持てない」などの声が多数寄せられました。「『結局、校長が決めるのだから何をいっても仕方がない』という雰囲気が強くなった。生徒の進級にかかわることも、生徒と直接、接していない校長の独断で決めるのはいかがなものかと思う」という意見や、管理職と異なる意見を言うことで業績評価が下げられたという声も出ています。

 都教委は二〇〇六年に、職員会議で挙手や採決で意思を確認することを禁じる通知を出しました。これに対し、会議での自由な議論を押さえ込むものだとの批判があがり、都立三鷹高校の土肥信雄校長も通知を批判し、都教委に公開討論を申し入れています。

 都教委は昨年、全都立学校の校長・副校長を呼び出して聞き取り調査を行い、「職員が発言しなくなった」と答えたものは2%、「通知は言論の自由に影響がない」としたもの95%という結果を発表していました。

 保護者&市民の会による調査結果はホームページhttp://date369g.blog54.fc2.com/で公開されます。



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