2009年1月8日(木)「しんぶん赤旗」

定額給付金

再び迷走 政府・自民

地方丸投げ→辞退が普通→国会議員もらえ


 二〇〇八年度第二次補正予算案で“目玉”と位置付ける総額二兆円規模の定額給付金をめぐって、政府・与党が再び迷走しています。昨年、高額所得者が受け取るのは好ましくないとして、所得制限設定の判断を地方自治体に丸投げしたかと思えば、今度は「個人に来るもの(定額給付金)を政府や党がもらえとかもらうなと言うべき種類のものか」(麻生太郎首相、六日)と述べ、所得制限を事実上撤回する考えを示したのです。

 今回、定額給付金の迷走の引き金をひいたのは自民党の細田博之幹事長の発言です。六日の政府・与党連絡会議で「景気対策なので国会議員も辞退せずにもらって使うべきだ」と主張し、国会議員を含む高額所得者も受け取りを辞退すべきではないと表明。河村建夫官房長官も同日の記者会見で「消費振興と内需拡大を図る狙いをはっきりさせる」と受け取って使う考えを示しました。

 もともと、三年後の消費税増税とセットで打ち出された定額給付金は「生活支援策より総選挙対策」(自民党閣僚経験者)という与党の党略的産物。政策理念は一向に定まらず、迷走に迷走を重ねてきました。

 その象徴が、麻生首相の発言です。麻生首相は当初、定額給付金を「全世帯で実施する」と明言しましたが、与謝野馨経済財政担当相らが「高い所得世帯にお金を渡すのはバラマキといわれる」と所得制限導入を主張したことから前言をあっさり撤回。結局、所得制限設定の判断を地方自治体に丸投げしました。

 麻生首相はこうした事態を反省するどころか、「一億円も収入のある方はもらわないのが普通だ。これは人間の矜持(きょうじ)の問題だ」(昨年十二月十五日の参院決算委員会)などと発言し続けました。今回その自らの発言さえあっさり変えるという失態ぶりです。

 麻生首相は定額給付金の性格付けについて「生活支援」と説明してきましたが、七日の参院本会議では「家計への緊急支援だ。あわせて家計に広く給付することで消費を増やす経済効果もある」と答弁するなど軸足は一向に定まりません。定額給付金の迷走は、この政策の道理のなさを示しています。(高柳幸雄)


定額給付金をめぐる麻生首相の発言

【2008年】

 10月30日 定額給付金については給付金方式で全世帯について実施する(記者会見で)

 11月4日 (所得制限を設けて)全然いい。貧しいとか生活に困っているところに出すんであって、豊かなところに出す必要はない(記者団に)

   19日 (所得が)500万円でも(給付金を)取りに来ない人は来ない。5000万円でも欲しい人は欲しい。本人の哲学の問題であり、矜持の問題だ(全国知事会議で)

 12月15日 困っている人にせめて1万2000円ということから発想した話だから、1億円も収入のある方はもらわないのが普通だ。これは人間の矜持の問題だ(参院決算委員会)

【2009年】

 1月6日 生活給付金というイメージで最初スタートしたので、あのころと時代(状況)は大きく変わった。消費刺激という点に意義があるので、ぜひみなさん方に使ってほしい(記者団に)

   7日 定額給付金を受け取るかどうかは今後、私自身で判断する(参院本会議)



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