2008年12月14日(日)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療 あす年金天引き

怒り拡大 5回目強行


 七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の保険料の年金からの天引きが十五日に強行されます。四月の制度導入以降、五回目です。六十五歳から七十四歳の一部の人の国民健康保険料も天引きされます。政府・与党は、国民の批判の広がりを前に「制度見直し」を口にしていますが、天引きは計画通り実行する構えです。

 今回は十月―十一月分の年金から、十二月―来年一月の保険料が引かれます。十月には約八百五十七万人(後期高齢者医療・約六百六十九万人、国保・約百八十八万人)が天引きされました。十二月の天引き対象者もほぼ同規模になる見通しです。

 わずかな年金で暮らす高齢者から重い保険料を一律に差し引く容赦ない手法には国民の怒りが集中。舛添要一厚生労働相も「『制度改悪』のイメージを増幅させる結果になった」(『中央公論』十二月号)と認め、政府・与党は天引きと口座振替との「選択制」へ修正せざるをえませんでした。しかし麻生政権は、七十五歳以上で医療を差別する制度の根幹維持に、あくまで固執しています。

 制度発足から九カ月に入り、年金天引き対象者(年金月額一万五千円以上など)以外の低所得高齢者を中心に保険料滞納が目立ってきました。厚労省調査などから推計すると滞納者は全国で十数万人―二十数万人にのぼるとみられます。

 一年以上保険料を滞納した高齢者は、保険証が取り上げられ、医療機関窓口で十割負担しなければならない資格証明書が発行されます。大量の「無保険」高齢者が生まれる恐れがあります。

意見書可決 662議会

 後期高齢者医療制度への国民の怒りは広がり続けています。廃止・見直しを求める意見書を可決した地方議会は六百六十二(中央社会保障推進協議会まとめ)に達しました。制度への不服審査請求を申し立てた人は全国で八千人を超えました。



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