2008年12月10日(水)「しんぶん赤旗」

イラクの民間人殺害

米軍事会社5人訴追


 【ワシントン=西村央】米司法省は八日、昨年九月十六日に米民間軍事会社「ブラックウォーター」の警備員がイラクの首都バグダッドで市民に向けて銃を乱射し、十四人が死亡、二十人が負傷した事件で、元警備員五人を殺人罪などで訴追したと発表しました。同社の関係者が訴追されるのは初めてです。

 同省では、死傷した三十四人のなかには女性や子どもも含まれており、「訴追された五人は、正当な理由もなく市民に対して不法な攻撃をした。こうした行為は、紛争中であれ平和な時であれ、(刑事的)責任が問われる」としています。

 ブラックウォーター社は、一九九七年に元米海軍特殊部隊員によって設立。二〇〇〇年に米国務省と契約を結び、武装しながら、イラク国内で事実上の雇い兵としての活動をしてきました。〇四年には、多くのイラク市民が犠牲になった米軍のファルージャ攻撃にも参加しました。同社が米軍と結んだ契約額は八億ドル(約七百五十億円)とされています。

 同社は一時は約千人の職員がイラクで活動していましたが、三十四人の市民が死傷した事件後、イラク政府から同国での「営業資格」をはく奪されていました。

 事件発生当時、ブラックウォーター側は「合法的で適切」な対処だったと主張していましたが、その後連邦捜査局(FBI)が捜査にあたっていました。



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