2008年12月2日(火)「しんぶん赤旗」

自立支援法廃止し新法を

障害者が人間らしく生きる制度に

共産党が政策提案 市田氏会見


 日本共産党の市田忠義書記局長は一日、国会内で会見し、政策提案「障害者自立支援法を廃止し、人間らしく生きるための新たな法制度を」と、党国会議員団が行った同法の影響調査結果を発表しました。会見には、小池晃政策委員長が同席しました。(政策全文影響調査概要影響調査全文


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(写真)記者会見する市田忠義書記局長(右)と小池晃政策委員長=1日、国会内

 自公政権が強行成立させた障害者自立支援法(二〇〇六年四月施行)は、実施から二年半余がたちました。政府は来年の通常国会に同法「改正」案を提出するとしていますが、障害者の負担増、サービス利用制限、事業所の経営難・人員不足など、矛盾と深刻な実態が噴出しています。

 市田氏は、「部分的な手直しでは済まされない。見直しにあたっては、明確に廃止して総合的な法制度が必要だ」と強調しました。

 政策提案では、「『自立破壊』の障害者自立支援法はきっぱり廃止し、新たに、障害者が人間らしく生きる権利を真に保障する、総合的な障害者福祉法を確立すること」を打ち出しました。

 新しい法制度は、日本国憲法と「障害者権利条約」(〇八年五月発効)の趣旨に基づくものにすることを求めています。

 また、緊急に解決が求められている「7つの重大な問題点」を明記。▽福祉サービス利用に原則一割がかかる「応益負担」制度の廃止▽事業所にたいする報酬を引き上げる―などの緊急に解決が求められる問題を盛り込みました。

 小池政策委員長は、障害者の生きる権利を保障するための財源は十分確保できるとし、憲法違反の政党助成金(三百二十億円)を廃止するだけで、障害者福祉の「応益負担」は廃止できると指摘。「消費税増税はまったく必要ない」と述べました。

 「障害者自立支援法の影響調査」は、日本共産党国会議員団・障害者の全面参加と平等推進委員会が、今年夏に実施したものです。回答を寄せた百七十七の事業者の七割が、「応益負担」の「廃止」を回答。報酬引き下げで「減収」になった事業所は97%に上り、同法が多くの矛盾・問題点を抱えていることを浮き彫りにしています。


 応益負担と応能負担 自立支援法では、利用した福祉や医療サービスの原則1割を、利用者が負担する「応益負担」に変更しました。この仕組みでは、障害が重い人ほど負担が重くなります。これにたいして、収入に応じて利用料を負担する仕組みが「応能負担」です。


政策提案の骨子

1、障害者自立支援法は廃止し、当事者参加で新しい法制度の確立を

2、障害者自立支援法の7つの重大な問題点―あたらしい法制度でこうして解決する

 ○「応益負担」制度は廃止する
 ○事業所にたいする報酬を引き上げる
 ○就労支援、「くらしの場」のあり方を権利保障の視点で見直す
 ○障害のある子どもの発達を保障する
 ○自立支援医療は元に戻し、拡充する
 ○「障害程度区分」認定は根本的に見直す
 ○地域生活支援事業へ国の財政保障を十分におこなう

障害者の生きる権利を保障するための財源は十分に生み出せる



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