2008年11月25日(火)「しんぶん赤旗」

広がり 層厚く

首長・経営者・宗教者

子ども・青年・高齢者

「九条の会」交流会 初めて職場分科会も


 評論家の加藤周一さんら著名9氏が呼びかけて結成された「九条の会」が24日、第3回全国交流集会を都内の日本教育会館で開き、全国から900人以上が参加しました。今回初めて「職場九条の会」の分科会が設けられ、5年目を迎えた運動に確信を深め、いっそう広げようと経験を交流しました。


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(写真)よびかけ人のあいさつを聞く参加者=24日、東京都千代田区

 呼びかけ人で作家の大江健三郎氏は「九条の会の人々には静かな確信に満ちた規範があり、孫やひ孫まで四代にわたる平和主義の伝統が国の伝統になれば、日本が国際的に平和主義を根付かせる大きな手がかりとなる」と述べました。

 作家の澤地久枝さんは「会に参加する顔ぶれや人数は大きく広がり重層的になった。やたらなことでは崩されないし、崩させてはならない」と発言しました。

 集会では、日本国際ボランティアセンター代表理事の谷山博史さんが特別報告。アフガニスタン情勢と日本の対応について詳しく報告し、「憲法九条をもつ日本こそ和平の仲介者に」と訴えました。

 宮城・憲法九条を守る首長の会の鹿野文永さん(元鹿島台町長)は「九条改憲の動きこそ住民の安心・安全を脅かす」として、県内の十六人の元市町村長で会を結成、全国の首長ら約千八百人に呼びかけ文を発送し、賛同が多数寄せられていると報告。会場からはどよめきと大きな拍手がおきました。

 「経済の視点から平和を考える」と発言したのは、札幌の「グリーン九条の会」の植田英隆さん。自身を含む三人の経営者が世話人となったユニークな会の結成を紹介しました。教育・子育て九条の会の上原公子さんは「旧教育基本法を復活させたい」と発言しました。

 十の分散会と学生・青年、職場の分科会に分かれて交流。青年や保守系の人々への浸透、貧困・格差問題との結びつき、宗教者での広がりなど、各地から知恵を絞った取り組みが紹介されました。

 千葉県船橋市の女性教員(32)は「教育・子育て九条の会の話を聞き、教師として子どもたちに九条を伝え、守っていきたい」と語りました。


草の根の「会」7294に

 「九条の会」は二十四日に開かれた第三回全国交流集会で、地域・職場・学園など草の根の「会」が昨年の交流集会以後、新たに四百九十三結成され、合計で七千二百九十四になったことを明らかにしました。

 また今後の取り組みについての「九条の会」の訴えを発表。訴えは、(1)一人ひとりの創意や地域の持ち味を大切にした取り組みで、憲法を生かす過半数の世論を(2)継続的・計画的に学習し、条文改悪も解釈による憲法破壊も許さない力を地域や職場に(3)思いきり対話の輪を広げ、引き続き小学校区単位の「会」の結成に意欲的取り組みを。交流・協力のためのネットワークを――と呼びかけています。

 「九条の会」は二〇〇四年六月に発足しました。



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