2008年11月17日(月)「しんぶん赤旗」

マルチ商法 行政処分 5年で25件

電気器具・化粧品など広範囲

擁護の政治家 問われる責任


 民主党議員や自民党の野田聖子消費者行政担当相らのマルチ商法(連鎖販売取引)業界との癒着が問題になっていますが、マルチ業者に対して行われた業務停止命令などの行政処分が二〇〇三年度以降、ことし十月末までの五年七カ月で二十五件にのぼることがわかりました。


 経済産業省のホームページで公表している特定商取引法違反にかかわる行政処分のうち、「連鎖販売取引」を集計したもの。

 これによると、処分を受けたマルチ商法業者が取り扱っている商品は、家庭用電気機械器具、化粧品、栄養補助食品、健康美容機器、浄活水器、インターネット端末機、教材ビデオ、超音波加湿器など、多岐にわたっています。(表参照)

 たとえば、昨年八月に経産省から六カ月間の業務停止命令を受けたインターネット機器販売会社「ユナイテッド・パワー」(東京都目黒区)の場合―。

 同社への行政処分によると、同社の勧誘者は、「最初に五十万円ぐらいかかるけど、後でもうける額の方が全然何倍も上だから」などとあたかも誰もが確実に、継続的に購入額以上の収入が得られるかのように告げ、クレジットの申込書と代理店契約書に署名させました。しかし、実際には、代理店の圧倒的多数は購入額を大きく下回る収入でした。

 昨年十一月に三カ月間の業務停止命令処分を経産省から受けた「ドリーム・オブ・トータル・コミュニケーション」(同港区)の場合―。

 経産省の行政処分によると、同社の代理店である有限会社「スティードファースト」(同文京区)の勧誘員は、「がんばれば月収七ケタ」「絶対に損はさせないから」などと告げました。ところが、「実際には、月収七ケタの収入を獲得できるのは、四千人強の会員の中で十人もいなかった」としています。

監査役就任や講演料も

 ユナイテッド社をめぐっては、民主党の「次の内閣」の経済産業大臣を務める増子輝彦参院議員が、〇五年十二月から昨年十二月までの二年間、同社の監査役に就任。月額二十万円の報酬も受け取っていました。

 一方、ドリーム社は、民主党の前田雄吉衆院議員(十月十六日離党)に「講演料」として、計百五十万円の資金提供をしていました。

 同議員は、「一部の悪質なマルチ企業のために迷惑を被っている、法に則して活動して、きちんと納税もしているネットワークサービスの企業(マルチ業者のこと)が数多く存在している」(〇四年三月一日、衆院予算委員会第七分科会)などと、マルチ商法業界を擁護する発言を繰り返してきました。マルチ業者を擁護する政治家の責任が問われます。

表

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