2008年11月11日(火)「しんぶん赤旗」
G20共同声明
IMF改革で一致
“新興国の発言権拡大を”
米の無責任さ批判 ブラジル大統領
日米と欧州の資本主義国に中国、ブラジルなど新興諸国と発展途上国を加えた主要二十カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が八、九の両日、ブラジルのサンパウロで開かれました。会議は、これまで米国主導で運営されてきた国際通貨基金(IMF)と世界銀行について、新興国と発展途上国の発言権を拡大するための「包括改革が必要」だとする共同声明を採択しました。声明の内容は今週末ワシントンで開かれるG20金融サミット(首脳会議)に反映されます。
【メキシコ市=島田峰隆】ブラジルのルラ大統領は八日、会議の開幕演説で、米国発の世界金融危機は「市場には介入しないという教条主義的な信仰」が原因だと指摘、先進国が経済混乱の責任を取ること、新興国の力関係を反映した新しい国際金融体制をつくることを求めました。
ルラ大統領は、「長年にわたり投機家が過大な利益を上げ、いまわれわれがその冒険の代償を払っている」「どの国も危険を他の国に押し付けることはできない」と強調。震源地となった米国をはじめとする先進国の「無責任さ」を批判し、「これ以上の危機を避ける対策」を求めました。
同大統領は、各国政府が民間金融機関を規制し、金融市場の透明性を高めるよう提案しました。
さらに「新しい金融体制づくりへ政府間の合意をまとめるときだ」と指摘。ブラジルやインドなど新興国の経済成長に触れ、「世界経済の決定メカニズムにより多くの途上国を参加させることが必要だ」と語りました。
現地からの報道によると、ブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国(BRICs諸国)は七日に会合を開き、国際通貨基金(IMF)を途上国の意見を反映する機関に変えることなど、今後の一連の国際会議での共通の立場を確認しました。