2008年11月11日(火)「しんぶん赤旗」

ASEAN後発4カ国が首脳会議

貿易・投資協力で合意

共同声明 格差縮小めざす

ハノイ


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 【ハノイ=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)の共同体創設(二〇一五年)を控え、地域内の発展格差を縮めようとするASEAN後発四カ国の“南南協力”が一歩ずつ進んでいます。カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの四カ国(頭文字をとってCLMV)首脳会議と、タイを加えた経済協力の枠組みでの首脳会議がそれぞれ、六日と七日にハノイで開かれ、後発国間の協力を「実質的、効果的」な段階に発展させることで一致。食料生産での協力などを確認しました。

 CLMVは、四カ国の経済発展と域内格差縮小のため、貿易・投資、観光、教育などで協力を図る枠組み。今回の首脳会議では、CLMVで協力する五十八のプロジェクトを決定しました。今後、具体化と優先順位を決め、四カ国の資金を動員するほか、地域内外の支援も求めていくとしています。

 首脳会議の共同声明は、「貿易・投資の協力が最優先課題」だとし、農産物加工などの分野で四カ国間の投資認可手続きを簡素化していくことなどで合意しました。

 タイを加えた首脳会議は、東南アジアの三つの河川流域での経済協力枠組み「イラワジ・チャオプラヤ・メコン経済協力戦略会議」(ACMECS)。タイのタクシン首相の提唱で二〇〇四年に始まりました。

 会議で五カ国首脳は、農業の技術移転、食料安全保障面での協力などを促進していくことで合意。五カ国の枠組みで小規模農家への融資を支援することも検討するとしました。

 一連の会議ではタイとベトナムが資金を出し、四カ国の職業訓練教員を養成するプログラムを行うとして両国間で覚書が交わされました。ベトナムは他の三カ国の学生への奨学金支給も会議で提案しました。

 ベトナムのグエン・タン・ズン首相は七日の記者会見で「四カ国は発展が遅れており、水田の稲作など経済的にも同じ特徴を持っている。協力は主導的に発展格差を解消するためだ。今回、CLMV・ACMECS協力は、より実質的、効果的な段階へと引き上げられた。食料安全保障でも、五カ国で食料生産と輸出で協力体制を形成しようという提案があった」と語りました。


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