2008年10月27日(月)「しんぶん赤旗」
総選挙を前倒し
連立政権樹立できず
イスラエル
【カイロ=松本眞志】イスラエルの与党第一党カディマのリブニ党首(外相)は二十六日付のイディオト・アハロノト紙のインタビューで、新政権樹立に向けた組閣交渉を断念し、総選挙を前倒して実施すると表明しました。二〇一〇年に予定されていた総選挙は来年二月か三月に行われるものとみられます。
九月のオルメルト前首相の辞任表明後、リブニ氏はカディマ(総議席百二十中、二十九議席)での党首選に勝利し、次期首相を目指して連立交渉を行ってきました。
カディマと労働党(十九議席)との合意が十月に入って成立しましたが、過半数の議席に至らないため、宗教政党シャス(十二議席)の参加を求めてきました。
しかし、シャスは、児童手当などの福祉予算増額のほか、中東和平交渉からエルサレム帰属問題を除外するよう要求。リブニ氏らとの妥協点を見いだせないなか、結局、シャスは二十四日に連立不参加を表明しました。
リブニ氏は、年金党(七議席)やユダヤ教連合(六議席)などの小政党とも折衝を重ねてきましたが、両党とも二十三日に連立への参加を断っています。
労働党のバラク党首(国防相)が少数与党政権の形成に難色を示し、カディマ内でも同様の懸念の声があがったこともリブニ氏の判断に大きな影響を与えたといわれています。