2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」

トンネルじん肺第2陣東京訴訟

26人が勝利和解

東京地裁


 国発注のトンネル公共工事をめぐり、ゼネコンを相手にした「トンネルじん肺根絶訴訟」の第二陣東京訴訟で、原告二十六人の和解が二十三日、東京地裁(矢尾渉裁判長)で成立しました。ことし九月につづく勝利和解で、ゼネコン側が総額約三億五千万円を支払います。今回で原告百四十一人中四十六人が和解し、残りの原告も順次和解する予定です。

 同訴訟原告団の船山友衛団長と東京訴訟原告団の佐藤安男団長らが東京地裁で記者会見し、全国からの支援に感謝を表明。同訴訟弁護団の小野寺利孝団長は、トンネルじん肺患者らが求めてきた「トンネルじん肺基金」(訴訟をおこさなくても、ゼネコンが拠出した基金から迅速に補償を受けられる制度)の実現を求め、第三陣のトンネルじん肺根絶訴訟(原告百五十五人)を、十一月二十七日に全国十一の裁判所に提訴すると発表しました。

 和解した原告の岐阜県郡上市の矢野力さん(65)は「じん肺根絶のためにも、第三陣根絶訴訟でも求めているトンネルじん肺基金をつくってほしい」と訴えました。

 原告・弁護団と全日本建設交運一般労働組合(建交労)は同夜、東京都内で勝利和解報告集会を開き、すべてのじん肺患者がすみやかに救済されるよう、じん肺基金の創設を訴えました。


 トンネルじん肺根絶訴訟 公共工事のトンネル建設に従事したじん肺患者や遺族が国とゼネコンを相手に、じん肺根絶と訴訟によらない救済制度創設をめざした訴訟。二〇〇六年七月以降、国の責任を認める判決が相次ぎ、〇七年六月、国が原告と合意書を締結。国との訴訟が終了後、ゼネコンとの訴訟は続いていました。



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