2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
中国共産党
「農村改革決定」を公表
使用権移転で土地集約へ
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【北京=山田俊英】中国共産党は十九日、先に第十七期第三回中央委員会総会で採択した「農村改革推進のための若干の重大問題に関する決定」の全文を発表しました。二〇二〇年までに農民の平均所得を倍増させることを目指します。農民が持っている土地使用権の流通を容認して農地を集約化。中小都市で安定した職業に就いている出稼ぎ農民に都市戸籍を与えて権利を保護するとしています。
決定は、中国が都市と農村の収入格差が大きく、「二元構造」になっていると指摘。原因として、農業経営が「粗放」で不安定であることを挙げました。
農地の使用権については、流通市場をつくり、請負、賃貸、交換、譲渡、共同出資などの方式で使用権を流通させることを認めます。これによって大規模農場を含め多様な経営形態が可能になるとしています。
土地の集団所有制や用途を変更したり、農民の権益を損なうことは禁止し、現在の全国耕地面積一億二千万ヘクタールを堅持します。
また、農民の都市部での就業を促し、「都市・農村発展の一体化」を図ります。そのため、戸籍制度改革のほか、出稼ぎ農民に対し賃金、子どもの教育、医療、住宅などで「都市住民と同等の待遇」を保障します。
このほか、農産物に対する価格保障制度を充実させることや、県の保証による農村金融機関の確立も盛り込みました。
農村の政治制度についても参政権など「村民自治」の発展を図るとし、人民代表(議員)選出の人口比を段階的に都市と同等まで引き上げることを掲げました。