2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」

新憲法案めぐり再び緊張

国民投票 国会審議へ

ボリビア


 【メキシコ市=島田峰隆】南米ボリビアで新憲法案をめぐる緊張が再び高まっています。ガルシア副大統領は八日、国会を十日に開き、新憲法案についての国民投票の実施見通しについて審議することを明らかにしました。九月半ばから続いていた政府と野党の協議が物別れに終わったことを受けての対応です。

 同国では九月半ば、新憲法案に反対する野党が暴力的な抗議を拡大。同月十八日からは、国連などの仲介で政府と野党が協議していました。

 報道によると、両者は、地方自治や農地改革、天然資源採掘による税収の配分方法などを協議。政府は新憲法案の修正などある程度の譲歩を示したといいます。しかし野党側は、新憲法案そのものに反対する立場を崩さず、協議は五日、打ち切られました。

 政府が提案する新憲法案は、新自由主義と対米従属からの決別が特徴。富裕層や大土地所有者は、既得権が失われることを恐れて新憲法案に反対する野党を支援しています。

 政府は、「野党は政治的打算から協議を拒否した」と批判。政府を支援する農民や先住民団体は七日、国民投票の早期実施を求めるデモ行進を十三日から組織し、国会を包囲する方針を明らかにしました。

 一方、野党勢力を率いるキロガ元大統領は七日、「法案阻止のため必要なことは何でもやる」と発言。反対運動を改めて呼びかけました。モラレス大統領率いる与党、社会主義運動は、上院では過半数を占めておらず法案の行方は予断を許しません。

 対話を仲介した南米諸国連合の代表は七日、九月の暴動を再燃させて「真剣な対話の努力」を台無しにしないよう呼びかけました。国連や米州機構(OAS)なども同日、「対話と平和的解決が唯一の方法だ」という声明を出しました。


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