2008年10月4日(土)「しんぶん赤旗」

世界金融危機

途上国犠牲は不当

南米諸国が欧米批判


 【メキシコ市=島田峰隆】米国に端を発した世界金融危機のもと、南米諸国は、欧米諸国が途上国に経済政策を指図しておきながら、今では自らが金融危機の原因になっていると批判を強めています。

 ブラジルのルラ大統領は九月三十日、同国マナウスで開かれた南米四カ国首脳会談で、「世界の経済制度は無責任な連中が金もうけをするカジノに変えられた。二十一世紀に成長し始めた途上国がその犠牲になるのは不当だ」と批判しました。同大統領は二十一日には、「ブラジルに対して、あれをしろ、これはするな、と意見してきた(欧米の)銀行がいま破たんしている」「教訓を忘れたのは欧米諸国だ」と語っています。

 アルゼンチンのフェルナンデス大統領は同日、「先進国は、われわれに対して到達しなければならない地点として自らを位置づけてきたが、その先進国が泡のように崩れている」と指摘。ベネズエラのチャベス大統領は、今回の金融危機は「世界の金融資本主義の崩壊、米帝国の崩壊だ」と語りました。

 米下院が金融機関救済法案を否決した九月二十九日、ブラジルでは株価が九年半ぶりの大幅下落を記録しました。

 米州開発銀行は一日、米国経済の停滞により、米国で働く中南米系移民が出身国へ送る今年の送金額は一九九五年以来で最も深刻な影響を受けるだろうと発表しました。



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