2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」

医療費を7500億円抑制

療養病床削減など 厚労省が計画決定


 厚生労働省は、長期療養が必要な患者が入院する療養病床を、二〇一二年度までに十二万床以上減らすことなどを目標に掲げた「全国医療費適正化計画」を、二日までに正式決定しました。療養病床削減や入院日数の短縮によって、五年後に約七千五百億円もの医療費を抑え込むことができるとしています。

 療養病床の削減と入院日数の短縮は、患者を無理やり病院から追い出す施策です。大量の医療・介護難民を生み出す、国民犠牲の「医療費削減」計画となっています。

 計画では、政府が各都道府県に対し、療養病床の削減や、平均入院日数の短縮などの目標を立てさせ、それを国が全国計画としてまとめました。

 療養病床の一二年度末の全国目標は、四十四都道府県(三県は検討中)の合計で、約二十一万一千床です(回復期リハビリテーション病棟を除く)。〇六年十月時点の病床数(四十四都道府県の合計で約三十三万三千床)より、約十二万二千床も減らされることになります。

 病院に入院した患者の一回当たりの平均的な入院日数(平均在院日数)は、全国計画で〇六年の三十二・二日を、一二年度には二十九・八日に、二・四日短縮する目標を掲げました。

 計画では、これらの目標達成による「医療費削減効果」を、各都道府県に算出させました。四十二道府県(五都県は示さず)の医療費総額は、計画を実施しない場合は一二年度に約三十二・六兆円になるのに対し、計画を実行すれば約三十一・九兆円に抑えられるとしています。

 同計画は、〇六年に自民、公明の両党が強行した医療改悪法で策定が決められたものです。


 療養病床 長期にわたる療養が必要な患者が入院する病床。患者が入院する場合、通常は急性期の病床(一般病床)で治療を受けたあと、回復期リハビリ病床での治療を経て、療養病床に移ります。



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