2008年9月10日(水)「しんぶん赤旗」

タイ首相が失職

憲法裁 「TV出演の謝礼違憲」

内閣総辞職


 【ハノイ=井上歩】タイ憲法裁判所は九日、サマック首相(73)がテレビの料理番組に出演し謝礼を受け取っていたことが国務大臣の副業を禁じた憲法に違反するとの判断を示し、同首相と全閣僚の罷免を命じる判決を判事全員一致で決定しました。これにより首相は失職し、民政復帰後初の内閣も発足七カ月で総辞職しました。下院は三十日以内に次期首相を指名します。

 最大与党「国民の力党」(PPP)は党首のサマック氏を再び首相に指名すると表明しました。一方、反政府団体による首相府占拠が二週間を超え、議会からも同首相への辞任圧力が高まっていたことから、政情はいっそう不安定化しそうです。

 サマック首相はバンコク特別行政区知事だった二〇〇〇年ごろから料理人として料理番組に出演していました。一部の上院議員や選挙管理委員会が五月、首相が就任後も民間企業との雇用関係にあるのは違憲だとして憲法裁に提訴しました。

 憲法裁は訴えを八月に受理、八日に初審理を開き、判決日を異例の翌日に指定。閣僚は新任者が決まるまで職務を続けます。

 首相府を占拠している「民主主義市民連合」は占拠を続ける意向を示しました。連立与党内には与党第二党・国民党のバンハーン党首(元首相)を推す声などがあります。


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