2008年9月1日(月)「しんぶん赤旗」
「禁演落語」忘れず
桂歌丸さんら 「はなし塚」法要開く
東京
戦争中に味わった先人の労苦を忘れてはいけない――。落語芸術協会は三十一日、東京都台東区の本法寺で「はなし塚」法要を行いました。浴衣に身をつつみ、桂歌丸会長をはじめ落語家や関係者、約百五十人が参加しました。
塚が建立されたのは一九四一年十月。当局から戦争に突き進む時勢に合わないと、自粛を迫られました。落語界の幹部や寄席の関係者が協議。「明烏(あけがらす)」「五人廻し」など「禁演落語」五十三演目を発表し、高座にかけることができなくなりました。
本法寺の西川隆庸住職は「苦難の歴史を風化させてはいけません。平和と明るい世の中のために落語界が発展してほしい」と参加者に呼びかけました。
戦争が終わった翌年の九月、「禁演落語復活祭」によって、五十三演目は再び日の目を見ました。
歌丸会長は「そのまま封印されてちゃいけない、今、堂々と禁演されたはなしをやってます。法要は、先代会長の文治師匠から引き継ぎました。協会一丸となって、続けていきたい」と話しました。